六段
- 2016/07/12
- 18:04
誰が言ったか忘れましたが、「二番じゃいけないんでしょうか?」。
世界で一番のベストセラーは? 『聖書』で間違いないでしょう。では二番目は? 私の若い頃は『毛沢東語録』でこれまた間違いは有りませんでした。この赤い表紙の小さな本は、アカ嫌いの私の手元にすら有るのです。
でも今はどうなんでしょう。まだ2位だと言う人もいますし、そうでなくったって、それに代わる2位は思いつきませんよ。もう何十年か経ったら『ドラえもん』がそれに取って代わりますかね。
日本一の美女は松坂慶子、女性デュエットならザ・ピーナツ。これで一億三千万、異論は有りません。有ろうはずが無い。でも誰が二番目かと言うと、これは異論百出です。
ところで、三曲関係で最大のヒット曲は? 「春の海』。では2位は? 私は『六段』ではないかと思います。
昭和が平成に代わる頃、「えらいこっちゃ、六段の譜面が15年前(昭和50年頃)にくらべて四分の一しか売れていない」と邦楽出版の人があわてていました。
どういう事か?お箏の新規入門者が四分の一になったに決まっているではないですか。入門したら「六段」は絶対にやる。そしてお箏の場合、尺八と違って譜面をコピーで済ますことは出来ません。お箏の入門者は「六段」の売れ行きと、ほぼイコールです。
中古の譜面を使う人がいても、入門者の多寡の傾向は変わらないでしょう。ですから今の苦境のサインは平成の初めにはすでに出ていたのです。
「六段」の原型は17世紀に八橋検校が作ったようです。これは大筋で認められていることです。それを生田検校などの後世の箏曲家が再構成していったと考えられています。
「六段」は「スガガキの手」で尺八にも採り入れられています。レーレーッロですね。また箏においての影響の強さは「他に比類の無い」と言って良いくらいです。光崎検校などは、そっくりそのまま取り入れています。「五段砧」、「秋風の曲」。
鈴慕会では演奏会の口開けに総員で「六段」を吹くのが恒例です。その場合、暗譜なんですよ。私は都山では、そりゃあ「六段」くらい暗譜で吹けますよ。でも琴古ですからね。途中怪しい所が有りました。何十人ですから「分かりゃしねえ」で吹いていましたが、ある時、青木先生から「大橋君、ここで吹きなさい」と最前列の正面、先生の隣の座を指定されました。青木先生がそう言ったら、必ずそうしなければならない事は鈴慕会の者なら皆知っています。しかも躊躇は絶対にダメ。
困っただろう? そう言う人は青木鈴慕という人が分かってないですね。途中で都山が混じろうと構わないのです。真面目に思いっきり吹けば。
尺八家で一番の癇癪持ちですが、スジを外さなければ怒りません。もっとも、そのスジの在りかは先生の基準ですけど・・・。
それは佐野さんや横田さんがやったら知りませんよ。だけど私ていどの者が吹く場合には、先生は「勢い」を一番に見ます。どんな小曲でも根性を入れて渾身で吹く。どうせヘタなんだから。(オットット、オイラは上手いけどね。)
性根を入れて吹け。青木先生に教わった。
世界で一番のベストセラーは? 『聖書』で間違いないでしょう。では二番目は? 私の若い頃は『毛沢東語録』でこれまた間違いは有りませんでした。この赤い表紙の小さな本は、アカ嫌いの私の手元にすら有るのです。
でも今はどうなんでしょう。まだ2位だと言う人もいますし、そうでなくったって、それに代わる2位は思いつきませんよ。もう何十年か経ったら『ドラえもん』がそれに取って代わりますかね。
日本一の美女は松坂慶子、女性デュエットならザ・ピーナツ。これで一億三千万、異論は有りません。有ろうはずが無い。でも誰が二番目かと言うと、これは異論百出です。
ところで、三曲関係で最大のヒット曲は? 「春の海』。では2位は? 私は『六段』ではないかと思います。
昭和が平成に代わる頃、「えらいこっちゃ、六段の譜面が15年前(昭和50年頃)にくらべて四分の一しか売れていない」と邦楽出版の人があわてていました。
どういう事か?お箏の新規入門者が四分の一になったに決まっているではないですか。入門したら「六段」は絶対にやる。そしてお箏の場合、尺八と違って譜面をコピーで済ますことは出来ません。お箏の入門者は「六段」の売れ行きと、ほぼイコールです。
中古の譜面を使う人がいても、入門者の多寡の傾向は変わらないでしょう。ですから今の苦境のサインは平成の初めにはすでに出ていたのです。
「六段」の原型は17世紀に八橋検校が作ったようです。これは大筋で認められていることです。それを生田検校などの後世の箏曲家が再構成していったと考えられています。
「六段」は「スガガキの手」で尺八にも採り入れられています。レーレーッロですね。また箏においての影響の強さは「他に比類の無い」と言って良いくらいです。光崎検校などは、そっくりそのまま取り入れています。「五段砧」、「秋風の曲」。
鈴慕会では演奏会の口開けに総員で「六段」を吹くのが恒例です。その場合、暗譜なんですよ。私は都山では、そりゃあ「六段」くらい暗譜で吹けますよ。でも琴古ですからね。途中怪しい所が有りました。何十人ですから「分かりゃしねえ」で吹いていましたが、ある時、青木先生から「大橋君、ここで吹きなさい」と最前列の正面、先生の隣の座を指定されました。青木先生がそう言ったら、必ずそうしなければならない事は鈴慕会の者なら皆知っています。しかも躊躇は絶対にダメ。
困っただろう? そう言う人は青木鈴慕という人が分かってないですね。途中で都山が混じろうと構わないのです。真面目に思いっきり吹けば。
尺八家で一番の癇癪持ちですが、スジを外さなければ怒りません。もっとも、そのスジの在りかは先生の基準ですけど・・・。
それは佐野さんや横田さんがやったら知りませんよ。だけど私ていどの者が吹く場合には、先生は「勢い」を一番に見ます。どんな小曲でも根性を入れて渾身で吹く。どうせヘタなんだから。(オットット、オイラは上手いけどね。)
性根を入れて吹け。青木先生に教わった。
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