絞り
- 2016/07/18
- 23:59
尺八に根が付いたのは何故か?虚無僧が武器としても使ったからという説が有ります。本当かいな?
「昔の尺八マニアの言う事だから」、そう頭からバカにしていては話も進みません。言い伝え、伝説、神話、こういうモノにも一抹の真実が含まれている場合も有ります。
初期の頃の虚無僧が使っていた尺八は節が三つで根が有りません。この状態ですと内径は自然に緩いテーパーになっており、余程に内径に広い狭いが無い限り良好に鳴ります。素人が作っても玄人が作っても性能の平均値は同じ様なものです。製作者の吹く力量の方が重要です。
そこに何時からか根が付いたのです。そしてやがて本来の三節の竹にゴロ節プラス根を三つ付けるのが「尺八の定形」という「通り相場」になってしまいました。
こうなると難しい。鳴らすのも作るのも・・・。
歌口から第三節までは良いですわな、節を抜けば良いのです。1孔の下に有るゴロ節は本当は根で、それより下には穴が空いていないのです。そこで管尻からゴロ節まで穴を開けて行って、棒ヤスリで拡げると管尻からゴロ節までもテーパーになります。ですから根の有る尺八の内径は、歌口から徐々に狭くなっていって、ゴロ節で最も狭く、それから管尻まで逆に広がります。
いわゆる「絞り」の発生です。
これって尺八が楽器として生き残った上での大きな要素です。
ゴロ節から管尻までのテーパー部分に生じる副定在派こそ音色の秘密で、尺八の音に含まれる数多くの偶数次倍音の大半がここで生み出されています。
ですから根が無いと音が単純になる? これは「地無し尺八」の話ですって。内径に下地を入れて調律したら全く関係無いです。
それでも今の「下地調律尺八」の基本は、そもそもが「地無し」の良く鳴る尺八の内径の復元ですから、根の付いた「地無し尺八が無ければ生まれなかったのです。
息効率の悪い「半波形縦笛」にしては大きな音が出る、しかも通常の状態で出せる音の中で最低音は特に強く響く、音色は面白いし、この種の笛では珍しいほどオクターブピッチもそこそこ合っている。
これなら他の音楽にも使える。
アタリメエよ。尺八は外観こそ原始的な姿をしているが、その実、一世紀にわたる間断無き研究と試行錯誤で内実は精密な楽器なんですぜ。
「それは良いけどよ、話を前に戻して、どうして根が付いたんだよ」。この点は難しく考える事ではありません。
護身用に使う為?そんなの後からそうなったと言う話で、わざわざその為にやりゃしませんわ。硬い根に穴を開けるって、ドリルの無い時代は簡単ではないのです。
「絞り効果」を出すため? 虚無僧が予めそんな事を知ってたわけが有りません。昔の尺八を見れば分かります。ほんの初歩の管楽器製作理論も持っていません。
興味本位で作ったに決まっています。それが面白いから流行しただけです。型の固定なんぞは教授産業が、自分の利益保持に言い出しただけで、それ以前は自由なものですわ。
そして、今すでに時代は「それ以後」です。ですから何でも有りになったんですよ。前の時代を「秩序が有った」と懐かしむ人がいるのは何時の時代も同じですし、そういう人の存在もまた重要ですから・・・。
「昔の尺八マニアの言う事だから」、そう頭からバカにしていては話も進みません。言い伝え、伝説、神話、こういうモノにも一抹の真実が含まれている場合も有ります。
初期の頃の虚無僧が使っていた尺八は節が三つで根が有りません。この状態ですと内径は自然に緩いテーパーになっており、余程に内径に広い狭いが無い限り良好に鳴ります。素人が作っても玄人が作っても性能の平均値は同じ様なものです。製作者の吹く力量の方が重要です。
そこに何時からか根が付いたのです。そしてやがて本来の三節の竹にゴロ節プラス根を三つ付けるのが「尺八の定形」という「通り相場」になってしまいました。
こうなると難しい。鳴らすのも作るのも・・・。
歌口から第三節までは良いですわな、節を抜けば良いのです。1孔の下に有るゴロ節は本当は根で、それより下には穴が空いていないのです。そこで管尻からゴロ節まで穴を開けて行って、棒ヤスリで拡げると管尻からゴロ節までもテーパーになります。ですから根の有る尺八の内径は、歌口から徐々に狭くなっていって、ゴロ節で最も狭く、それから管尻まで逆に広がります。
いわゆる「絞り」の発生です。
これって尺八が楽器として生き残った上での大きな要素です。
ゴロ節から管尻までのテーパー部分に生じる副定在派こそ音色の秘密で、尺八の音に含まれる数多くの偶数次倍音の大半がここで生み出されています。
ですから根が無いと音が単純になる? これは「地無し尺八」の話ですって。内径に下地を入れて調律したら全く関係無いです。
それでも今の「下地調律尺八」の基本は、そもそもが「地無し」の良く鳴る尺八の内径の復元ですから、根の付いた「地無し尺八が無ければ生まれなかったのです。
息効率の悪い「半波形縦笛」にしては大きな音が出る、しかも通常の状態で出せる音の中で最低音は特に強く響く、音色は面白いし、この種の笛では珍しいほどオクターブピッチもそこそこ合っている。
これなら他の音楽にも使える。
アタリメエよ。尺八は外観こそ原始的な姿をしているが、その実、一世紀にわたる間断無き研究と試行錯誤で内実は精密な楽器なんですぜ。
「それは良いけどよ、話を前に戻して、どうして根が付いたんだよ」。この点は難しく考える事ではありません。
護身用に使う為?そんなの後からそうなったと言う話で、わざわざその為にやりゃしませんわ。硬い根に穴を開けるって、ドリルの無い時代は簡単ではないのです。
「絞り効果」を出すため? 虚無僧が予めそんな事を知ってたわけが有りません。昔の尺八を見れば分かります。ほんの初歩の管楽器製作理論も持っていません。
興味本位で作ったに決まっています。それが面白いから流行しただけです。型の固定なんぞは教授産業が、自分の利益保持に言い出しただけで、それ以前は自由なものですわ。
そして、今すでに時代は「それ以後」です。ですから何でも有りになったんですよ。前の時代を「秩序が有った」と懐かしむ人がいるのは何時の時代も同じですし、そういう人の存在もまた重要ですから・・・。
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