中国最新尺八事情
- 2016/07/31
- 17:04
5年前です。台湾展示会のおり神崎憲さん(故人)に中国事情を聞いたところ、まだ150人くらいだと言われました。
3年前になり、大分増えたとの判断で上海の世界最大級の楽器見本市・ミュージックチャイナに参加する形での展示会を開催しました。
その頃で、どうも500から700人はいたようです。張聴のように日本でプロが十分つとまる力量の人も出ていましたが、まだ多くの人は上手とはいえない段階でした。それでも30歳前後の平均年齢だったので、比較すれば日本の師範の平均吹奏力より上だったでしょう。
その頃の中国の尺八吹きは洞簫奏者が多く、「性能の良い洞簫」として使われていたようです。中国各地に中国伝統楽器でのみ編成されている合奏団が無数に存在していて、そこに尺八は重宝がられていました。ですから、中国展示会の前に神崎さんから「尺八は中国の楽器で、日本に残っていたが里帰りした、そういう話を守っていださい」と言われ、特別に知識の有る人に質問されなければ、そういうことで通しました。
今、現在、今日。様変わりです。尺八は尺八、日本文化として愛好する人が増えました。それに伴い古典本曲の愛好家も激増しており、青木鈴慕とか山口五郎とかは「神様扱い」されています。
ところで今、中国全土で尺八を吹いている人は何人なのでしょう?
把握できないほど増えました。まずですね、プラスチック尺八の悠は一万本以上出ています。そして張聴のプラスチック尺八、杭州の楽器店の作っている悠のパクリ?遠音が有ります。そして何人もいる中国製管師の作った木製、竹製、合成樹脂の物。そういう具合に数えて行くと、もう現在の尺八人口の単位は千です。しかもこの瞬間にも増えています。
それは各地に中国人が教える尺八教室が続々と出来ている事が原因の大きな部分です。たとえば日本では減る一方の竹保ですが、黄竹風が広東で開いている竹保流教室は、今の勢いですと近く竹保の国内人数を上回ります。
中国人は尺八を習うと、すぐ他人に教え始めます。「まだウマいもヘタも分からない段階だから」とも言えますが、それを言ったら日本だって同じでしょう・・・。ともかく中国尺八は「ネズミ算」の段階を迎えはじめています。
何故に日本文化を?そう聞きましたよ。この質問は中国人には「意外」と受け取られます。「何故って、日本や日本文化が好きな人も大勢いるんだから当然でしょ」。それが答えでした。
日本刀、茶釜、着物、盆栽とかも人気になっていますし、もう豊かな社会特有の選択肢の広い段階に中国も入ったようです。
もう一つの大きな原因はインターネットの普及です。中国の隣りまで1日かかる村にもインターネットで情報も物も届きます。たとえばアリババ。日本最大の小売りイオンの年商8兆円を月商でなく週単位で達成する怪物企業ですが、まだ購買意欲の満たされていない、いわば昭和40年代の日本のような中国市場が有ればこそです。
私と先週業務提携を結んだ南京の楽器商は明確なインターネット販売のビジョンを持っていました。
私の海外エージェントは中国、台湾、フランスで現在3人。今年中に広東・香港地区にも出来ますが、私は何処のエージェントとも独占契約は結びません。紹介してほしいとの依頼が先方から有れば喜んで紹介の労をとります。今回も「それなら小林一城を紹介してほしい」と言われ、さっそく小林さんに伝えました。
こういうのは私だけではなく、小林さん自体が自分の中国代理店の依頼を気持ち良く他の同業者につないでいます。
この情報化社会に囲い込みの秘密主義では事は運びません。製管師同士、共有できる情報は共有すれば良いんです。「嫌だ」と言う人はご自由に。まあ勝手にやりますから。
3年前になり、大分増えたとの判断で上海の世界最大級の楽器見本市・ミュージックチャイナに参加する形での展示会を開催しました。
その頃で、どうも500から700人はいたようです。張聴のように日本でプロが十分つとまる力量の人も出ていましたが、まだ多くの人は上手とはいえない段階でした。それでも30歳前後の平均年齢だったので、比較すれば日本の師範の平均吹奏力より上だったでしょう。
その頃の中国の尺八吹きは洞簫奏者が多く、「性能の良い洞簫」として使われていたようです。中国各地に中国伝統楽器でのみ編成されている合奏団が無数に存在していて、そこに尺八は重宝がられていました。ですから、中国展示会の前に神崎さんから「尺八は中国の楽器で、日本に残っていたが里帰りした、そういう話を守っていださい」と言われ、特別に知識の有る人に質問されなければ、そういうことで通しました。
今、現在、今日。様変わりです。尺八は尺八、日本文化として愛好する人が増えました。それに伴い古典本曲の愛好家も激増しており、青木鈴慕とか山口五郎とかは「神様扱い」されています。
ところで今、中国全土で尺八を吹いている人は何人なのでしょう?
把握できないほど増えました。まずですね、プラスチック尺八の悠は一万本以上出ています。そして張聴のプラスチック尺八、杭州の楽器店の作っている悠のパクリ?遠音が有ります。そして何人もいる中国製管師の作った木製、竹製、合成樹脂の物。そういう具合に数えて行くと、もう現在の尺八人口の単位は千です。しかもこの瞬間にも増えています。
それは各地に中国人が教える尺八教室が続々と出来ている事が原因の大きな部分です。たとえば日本では減る一方の竹保ですが、黄竹風が広東で開いている竹保流教室は、今の勢いですと近く竹保の国内人数を上回ります。
中国人は尺八を習うと、すぐ他人に教え始めます。「まだウマいもヘタも分からない段階だから」とも言えますが、それを言ったら日本だって同じでしょう・・・。ともかく中国尺八は「ネズミ算」の段階を迎えはじめています。
何故に日本文化を?そう聞きましたよ。この質問は中国人には「意外」と受け取られます。「何故って、日本や日本文化が好きな人も大勢いるんだから当然でしょ」。それが答えでした。
日本刀、茶釜、着物、盆栽とかも人気になっていますし、もう豊かな社会特有の選択肢の広い段階に中国も入ったようです。
もう一つの大きな原因はインターネットの普及です。中国の隣りまで1日かかる村にもインターネットで情報も物も届きます。たとえばアリババ。日本最大の小売りイオンの年商8兆円を月商でなく週単位で達成する怪物企業ですが、まだ購買意欲の満たされていない、いわば昭和40年代の日本のような中国市場が有ればこそです。
私と先週業務提携を結んだ南京の楽器商は明確なインターネット販売のビジョンを持っていました。
私の海外エージェントは中国、台湾、フランスで現在3人。今年中に広東・香港地区にも出来ますが、私は何処のエージェントとも独占契約は結びません。紹介してほしいとの依頼が先方から有れば喜んで紹介の労をとります。今回も「それなら小林一城を紹介してほしい」と言われ、さっそく小林さんに伝えました。
こういうのは私だけではなく、小林さん自体が自分の中国代理店の依頼を気持ち良く他の同業者につないでいます。
この情報化社会に囲い込みの秘密主義では事は運びません。製管師同士、共有できる情報は共有すれば良いんです。「嫌だ」と言う人はご自由に。まあ勝手にやりますから。
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