鎖国
- 2016/08/02
- 23:29
30年前の尺八界って、まだ鎖国をしていたようなものでした。最初の黒船はジョン・ネプチューンですかね。でも30年前にはライリー・リーもいましたが、当時はハワイからオーストラリアに移り住んでいました。デヴィッド・ウイラーやクリストファー・ブレイズデルもモチロンいましたよ。けど彼らは「尺八の上手なアメリカ人」であって、黒船ではないですね。
尺八界って、その頃はオタクオヤジは今よりずっと多かったのですが、尺八をトータルで語れる学者がいないのは今と同じ、優れた尺八家とか音楽にキチンとした耳を持つ聴衆は現在の十分の一ですかね。
スクエアと言うか、極く狭い価値基準しか持たずに他の音楽を排撃する目のひきつった人は、古典にも現代邦楽にもいましたが、もう新曲にはいなかったですねえ。昭和40年頃まではいたそうですよ。
「大衆の支持を得るためには分かり易い新曲を前面に押し立てるべきだ」と言うのが基本姿勢だったそうです。
その時代に世界最大の尺八コレクションはイギリスに有りました。サセックスのダン・メイヤースが集めたものです。この人は日本でいう12万坪の敷地にたつ城のような邸宅に住む富豪で、尺八の収集が趣味でした。
ここからはマジで読んでください。
当時は邦楽社で『季刊邦楽』の編集をしていた田中隆文さん、言わずと知れた現『邦楽ジャーナル』の社長です。彼に提案しました。
私が自費で取材してくるので『季刊邦楽』で特集して欲しい。出来れば巻頭のカラーで。こういうコレクションが有る事は製管師の間では常識ですが、まだ演奏家や一般ファンは知らないから記事にする価値が有ると思います。
そして、回答。「すみませんが特集では扱えません。投稿という事ならオーケーです」。
私はこれまでも何回か『季刊邦楽』に記事を書きましたね。投稿の扱いになっていた記事も有りましたが、全てが依頼記事であって投稿などホントは1回も無いということは貴方は当事者ですから知っていますよね。つまりは私の書くレポートは信憑性に欠けるという判断ですか?
「会議にかけたんですが○○先生(有名な邦楽学者)が存在を知らないと言うんですよ」。
だって、あの人は尺八では素人と同じですよ。これは地歌の歌詞の解釈とは違う話なんですが。
「でも、あの先生に知らないと言われてしまうと私の力では通せないんです」。
分かりました、この話は流しましょう。
まだプロ尺八家のリサイタルのパンフの飾りになっている学者さんが本当に尺八の事を知っていると一般には思われていた時代でした。業界の中だけで全てが自己完結していた頃の話です。こういうのを鎖国と言います。ですからイイカゲンな知識のオタクオヤジでも尺八界では、それなりに通ったんです。
尺八界って、その頃はオタクオヤジは今よりずっと多かったのですが、尺八をトータルで語れる学者がいないのは今と同じ、優れた尺八家とか音楽にキチンとした耳を持つ聴衆は現在の十分の一ですかね。
スクエアと言うか、極く狭い価値基準しか持たずに他の音楽を排撃する目のひきつった人は、古典にも現代邦楽にもいましたが、もう新曲にはいなかったですねえ。昭和40年頃まではいたそうですよ。
「大衆の支持を得るためには分かり易い新曲を前面に押し立てるべきだ」と言うのが基本姿勢だったそうです。
その時代に世界最大の尺八コレクションはイギリスに有りました。サセックスのダン・メイヤースが集めたものです。この人は日本でいう12万坪の敷地にたつ城のような邸宅に住む富豪で、尺八の収集が趣味でした。
ここからはマジで読んでください。
当時は邦楽社で『季刊邦楽』の編集をしていた田中隆文さん、言わずと知れた現『邦楽ジャーナル』の社長です。彼に提案しました。
私が自費で取材してくるので『季刊邦楽』で特集して欲しい。出来れば巻頭のカラーで。こういうコレクションが有る事は製管師の間では常識ですが、まだ演奏家や一般ファンは知らないから記事にする価値が有ると思います。
そして、回答。「すみませんが特集では扱えません。投稿という事ならオーケーです」。
私はこれまでも何回か『季刊邦楽』に記事を書きましたね。投稿の扱いになっていた記事も有りましたが、全てが依頼記事であって投稿などホントは1回も無いということは貴方は当事者ですから知っていますよね。つまりは私の書くレポートは信憑性に欠けるという判断ですか?
「会議にかけたんですが○○先生(有名な邦楽学者)が存在を知らないと言うんですよ」。
だって、あの人は尺八では素人と同じですよ。これは地歌の歌詞の解釈とは違う話なんですが。
「でも、あの先生に知らないと言われてしまうと私の力では通せないんです」。
分かりました、この話は流しましょう。
まだプロ尺八家のリサイタルのパンフの飾りになっている学者さんが本当に尺八の事を知っていると一般には思われていた時代でした。業界の中だけで全てが自己完結していた頃の話です。こういうのを鎖国と言います。ですからイイカゲンな知識のオタクオヤジでも尺八界では、それなりに通ったんです。
スポンサーサイト