男の世界
- 2016/08/18
- 21:07
今は時代が変わりましたね。女性が普通に剣道や柔道をやっている。どころか、レスリングやボクシングまでジャンルが拡がっていますな。
もう40年以上も前になります。マシオ駒事務所の唯一の社員として、プロレスの仕事をしていた時、駒さんが地方巡業に出ている時でも、駒さんの自宅兼事務所に朝、顔を出してから営業に向かうのが常でした。
何曜日だったか、女子プロレスのテレビ中継が有った翌朝は、決まって駒さんのお母さんがコーヒーを出してくれながら話していくのが、いつもの事でした。
「ネエネエ、大橋さん、小幡千代、見ました? すごいですねえ。私、もうビックリしてしまいました」。毎週こうです。
貞淑な明治婦人の駒さんのお母さんにとって、腕をブンブン振り回しながら、「この野郎」と怒号を発して外人女子プロレスラーに突進して行く小幡千代は想像の及ばない存在だったのでしょう。
そのクセに「怖いモノ見たさ」で毎週ドキドキしながらもテレビ中継を見ないではいられなかったのでしょう。
小幡千代に殴り飛ばされていた外人女子レスラーの中に駒さんとタダならぬ中になっていた者がいるなんて、口が裂けても言えませんわな。もう時効ですから言います。ビッキー・ウイリアムスです、と言ってももう通じませんね。
女子プロレスは終戦後間もない昭和29年にミルドレッド・バークによって日本に紹介されました。それ以前に有ったオンナプロレスは温泉地の見せ物小屋やキャバレーでのエロショーにすぎませんでした。
バーグのは本格的なプロレスで、ホントかどうか分かりませんが、バカにした態度をとった男をリングに上げて、世界各地で500人以上の荒くれ男をタタキノメシタと言われています。
「バーグが本気でやったらチャンピオン級の男子レスラーとも対等に渡り合える」とまで言う人がいましたが、そこまでは流石に信じられませんわ。
日本でも「どうせショーだ」と、何の訓練もしていない顔のコマシな女性をリングに上げて、テレビの力でスターにデッチアゲていた団体が有りましたが、本当の女子プロレスはオンナプロレスとは違います。リングサイドで涎をたらして見ている半グレオヤジなんか、イザとなれば手も無く捻られてしまいます。
この女子プロレスが40年前に異次元進化を遂げました。ビューティーペアの出現以来、格闘技プラス「タカラズカ」で一躍アイドル人気が爆発し、それまで女子プロレスになんぞ見向きもしなかった若い女性を大量に会場に動員しました。
今、女子レスリングは日本のお家芸となっていますが、この淵源は確実に「女子プロレスブーム」です。カッコ良かったですもんね。
ビューティーペアの「駆け巡る青春」、踏まれっても、汚れっても~、今もオイラなんか2番まで歌えらい・・・。どうだ、少しは尊敬したかな?
尺八って昭和いっぱいまでは紛れも無く「男の世界」ですよね。戦前の昭和7年に都山流の創流35年を記念して流人の写真と詳細な経歴の記載された名鑑が出ました。そこに載っている人は6百人を越えていますが、女性は一人だけです。
花柳界では尺八はかなり習う芸者が多かったのですが、宴会芸としてであり、一般の素人女性が尺八を習うなんて事はまず有り得ませんでした。
世が平成になってくると、少しずつ尺八界に女性が目立つ様になってきました。初めはボツボツでしたが、大学の邦楽クラブに、高校時代に吹奏楽をやっていた女子大生が入って来て尺八を吹くというケースが目立ち始め、何時の間にか大学に関しては尺八は女性の方が多数派になりました。
この時代に尺八に関して大きな「意識変化」が生じたのは明らかです。
もともと「尺八は男の楽器」という意識の存在しない外国人の場合には、女性が何ら特別の事も無く尺八界にいます。この偏見を無くす事が青木鈴慕、横山勝也はじめ私達の一世代前の尺八家達の悲願でもあったのです。
この10年、もう女性尺八家のいない尺八など考えられないまでになりました。前はサッカーもレスリングも柔道も、新聞記者も警察も自衛隊も日本料理も「男の世界」だったのです。
そこへ女性が出てくると、それを阻む偏見が必ず出てきます。良かった、尺八はようやくその段階を越えた。
もう40年以上も前になります。マシオ駒事務所の唯一の社員として、プロレスの仕事をしていた時、駒さんが地方巡業に出ている時でも、駒さんの自宅兼事務所に朝、顔を出してから営業に向かうのが常でした。
何曜日だったか、女子プロレスのテレビ中継が有った翌朝は、決まって駒さんのお母さんがコーヒーを出してくれながら話していくのが、いつもの事でした。
「ネエネエ、大橋さん、小幡千代、見ました? すごいですねえ。私、もうビックリしてしまいました」。毎週こうです。
貞淑な明治婦人の駒さんのお母さんにとって、腕をブンブン振り回しながら、「この野郎」と怒号を発して外人女子プロレスラーに突進して行く小幡千代は想像の及ばない存在だったのでしょう。
そのクセに「怖いモノ見たさ」で毎週ドキドキしながらもテレビ中継を見ないではいられなかったのでしょう。
小幡千代に殴り飛ばされていた外人女子レスラーの中に駒さんとタダならぬ中になっていた者がいるなんて、口が裂けても言えませんわな。もう時効ですから言います。ビッキー・ウイリアムスです、と言ってももう通じませんね。
女子プロレスは終戦後間もない昭和29年にミルドレッド・バークによって日本に紹介されました。それ以前に有ったオンナプロレスは温泉地の見せ物小屋やキャバレーでのエロショーにすぎませんでした。
バーグのは本格的なプロレスで、ホントかどうか分かりませんが、バカにした態度をとった男をリングに上げて、世界各地で500人以上の荒くれ男をタタキノメシタと言われています。
「バーグが本気でやったらチャンピオン級の男子レスラーとも対等に渡り合える」とまで言う人がいましたが、そこまでは流石に信じられませんわ。
日本でも「どうせショーだ」と、何の訓練もしていない顔のコマシな女性をリングに上げて、テレビの力でスターにデッチアゲていた団体が有りましたが、本当の女子プロレスはオンナプロレスとは違います。リングサイドで涎をたらして見ている半グレオヤジなんか、イザとなれば手も無く捻られてしまいます。
この女子プロレスが40年前に異次元進化を遂げました。ビューティーペアの出現以来、格闘技プラス「タカラズカ」で一躍アイドル人気が爆発し、それまで女子プロレスになんぞ見向きもしなかった若い女性を大量に会場に動員しました。
今、女子レスリングは日本のお家芸となっていますが、この淵源は確実に「女子プロレスブーム」です。カッコ良かったですもんね。
ビューティーペアの「駆け巡る青春」、踏まれっても、汚れっても~、今もオイラなんか2番まで歌えらい・・・。どうだ、少しは尊敬したかな?
尺八って昭和いっぱいまでは紛れも無く「男の世界」ですよね。戦前の昭和7年に都山流の創流35年を記念して流人の写真と詳細な経歴の記載された名鑑が出ました。そこに載っている人は6百人を越えていますが、女性は一人だけです。
花柳界では尺八はかなり習う芸者が多かったのですが、宴会芸としてであり、一般の素人女性が尺八を習うなんて事はまず有り得ませんでした。
世が平成になってくると、少しずつ尺八界に女性が目立つ様になってきました。初めはボツボツでしたが、大学の邦楽クラブに、高校時代に吹奏楽をやっていた女子大生が入って来て尺八を吹くというケースが目立ち始め、何時の間にか大学に関しては尺八は女性の方が多数派になりました。
この時代に尺八に関して大きな「意識変化」が生じたのは明らかです。
もともと「尺八は男の楽器」という意識の存在しない外国人の場合には、女性が何ら特別の事も無く尺八界にいます。この偏見を無くす事が青木鈴慕、横山勝也はじめ私達の一世代前の尺八家達の悲願でもあったのです。
この10年、もう女性尺八家のいない尺八など考えられないまでになりました。前はサッカーもレスリングも柔道も、新聞記者も警察も自衛隊も日本料理も「男の世界」だったのです。
そこへ女性が出てくると、それを阻む偏見が必ず出てきます。良かった、尺八はようやくその段階を越えた。
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