接着剤
- 2016/08/23
- 23:23
接着剤の進化がすでに想像を絶する段階に入りました。もう20年前から、割れた尺八を接着剤だけで止めて、どうも大丈夫なような感じになっていましたが、やはり踏み切るのは躊躇が有りました。
今の強力な接着剤ですと、割れている部分に流して万力で絞めて、それでもう開きません。後は割れた跡の処理ですが、色の付いた竹ですと、もう簡単には分からないまでになっています。よく見れば分かりますが、綺麗に処理してあれば、あまり問題化しないものです。
白い竹はまだ跡はウマく隠せません。
接着剤が発達した1965年頃から尺八製作は楽になりました。たとえば中継ぎです。上管の中継ぎの部分には割れ止めが施してあります。そうしないと下管のパイプを挿入する時に圧力で割れるからですが、これが昔は下管にも入っていました。
パイプを取り付ける時点で、膠とか漆くらいしか無かったので、キッチリ精密にパイプと下管の彫り込みを合わせ、膠を接着剤にしてパイプを木槌で敲き込んだのです。ですから下管にも割れ止めが入っていないと割れてしまうのです。
今は、と言えば、丁寧に作る人は入れるでしょうが、接着剤が良いから入れない人が多いですね。「オレは入れてる」って?あっそう、製管師同士は全て分かります。だって七孔の改作をすれば一目瞭然ですもんね。
私の小学生時代はまだ木の模型が主流でした。当時は接着剤が良くなかったでしょう、ですから貼り付けて糸でキツク巻いて一晩置いたものですよ。
昭和35年ころから子供達の間でプラモデルが流行りまして、セメダインが一般的になりました。ただ、その時代のセメダインは今の感覚ですと糊です。
私が高校2年の時、下校時に校門の処でカミソリ片手のにウロウロしていたヤツがいたんです。学校で指折りのヤンチャで、聞けば、授業中に前の席のヤツの椅子にセメダインを塗っていたとか。授業時間に、その人間のケツが椅子に張り付いてしまい、担任の教師に、「退学を申し渡すので親を連れて来るように。今度と言う今度は許さない」と言われて、許しを乞う為に血書を書こうとしていたんです。
結局、私が教師の所に行って一緒に謝り、事なきを得ました。なに始めっから退学になんかならないですよ。だって、そいつと担任教師は「親友」なんですもの。その教師が、そのヤンチャが可愛くてしかたがない事はヤンチャ本人以外は誰でも知っていました。
それでもケツに椅子をくっつけてベソをかいているヤツの手前、その位のことは言わなければ収まらなかっただけです。
しかし、セメダインがアロンアルファの段階にまでなると、同様の事は犯罪に進化します。ヤクザがアロンアルファで人の両手の平を張り合わせる監禁の手段としていた事でも分かるように、時として凶器にもなります。
もう今ではスコップの柄を切って接着剤で再び繫ぎ、それでドカタ作業をして大丈夫なまでになっています。
私は昔から、「尺八製作が、こんなに基礎訓練がいらなくなったのは接着剤が発達したからだよな」、そういう感慨をもって弟子達にも言ってきました。
ですが、もう一つ感慨が有ります。もう速さ、強度、材質など様々な用途に合わせて選択できますが、まだ私を含めて、皆あまり良く知らない。間違った使い方をしています。だって、説明書を詳細に読んでいないですもの。これって「宝の持ち腐れ」ですよ。
今の強力な接着剤ですと、割れている部分に流して万力で絞めて、それでもう開きません。後は割れた跡の処理ですが、色の付いた竹ですと、もう簡単には分からないまでになっています。よく見れば分かりますが、綺麗に処理してあれば、あまり問題化しないものです。
白い竹はまだ跡はウマく隠せません。
接着剤が発達した1965年頃から尺八製作は楽になりました。たとえば中継ぎです。上管の中継ぎの部分には割れ止めが施してあります。そうしないと下管のパイプを挿入する時に圧力で割れるからですが、これが昔は下管にも入っていました。
パイプを取り付ける時点で、膠とか漆くらいしか無かったので、キッチリ精密にパイプと下管の彫り込みを合わせ、膠を接着剤にしてパイプを木槌で敲き込んだのです。ですから下管にも割れ止めが入っていないと割れてしまうのです。
今は、と言えば、丁寧に作る人は入れるでしょうが、接着剤が良いから入れない人が多いですね。「オレは入れてる」って?あっそう、製管師同士は全て分かります。だって七孔の改作をすれば一目瞭然ですもんね。
私の小学生時代はまだ木の模型が主流でした。当時は接着剤が良くなかったでしょう、ですから貼り付けて糸でキツク巻いて一晩置いたものですよ。
昭和35年ころから子供達の間でプラモデルが流行りまして、セメダインが一般的になりました。ただ、その時代のセメダインは今の感覚ですと糊です。
私が高校2年の時、下校時に校門の処でカミソリ片手のにウロウロしていたヤツがいたんです。学校で指折りのヤンチャで、聞けば、授業中に前の席のヤツの椅子にセメダインを塗っていたとか。授業時間に、その人間のケツが椅子に張り付いてしまい、担任の教師に、「退学を申し渡すので親を連れて来るように。今度と言う今度は許さない」と言われて、許しを乞う為に血書を書こうとしていたんです。
結局、私が教師の所に行って一緒に謝り、事なきを得ました。なに始めっから退学になんかならないですよ。だって、そいつと担任教師は「親友」なんですもの。その教師が、そのヤンチャが可愛くてしかたがない事はヤンチャ本人以外は誰でも知っていました。
それでもケツに椅子をくっつけてベソをかいているヤツの手前、その位のことは言わなければ収まらなかっただけです。
しかし、セメダインがアロンアルファの段階にまでなると、同様の事は犯罪に進化します。ヤクザがアロンアルファで人の両手の平を張り合わせる監禁の手段としていた事でも分かるように、時として凶器にもなります。
もう今ではスコップの柄を切って接着剤で再び繫ぎ、それでドカタ作業をして大丈夫なまでになっています。
私は昔から、「尺八製作が、こんなに基礎訓練がいらなくなったのは接着剤が発達したからだよな」、そういう感慨をもって弟子達にも言ってきました。
ですが、もう一つ感慨が有ります。もう速さ、強度、材質など様々な用途に合わせて選択できますが、まだ私を含めて、皆あまり良く知らない。間違った使い方をしています。だって、説明書を詳細に読んでいないですもの。これって「宝の持ち腐れ」ですよ。
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