昔は「我慢比べ」と言うものが有りました。夏の暑い日、セーター、上着はもとよりオーバー、丹前、あげく毛布、布団を被ってストーブまで炊くのです。
逆に冬は滝行、寒中水泳とか。何の為? サア、良く分かりません。ともかく私を始め、当時の偏差値の低い少年達はタイガイ1度や2度はやってますよ。それで何かの役にたったかと問われれば、「なったはずがネエだろう」と答えるしかないです。まあ、シャレですよ、シャレ。
私の周りにはいなかっただけで、きっと熱中症にかかって病院、もっと悪ければアノ世に行った人もいたんでしょうな。
酒だって「我慢比べ」みたいなものですよ。、法政大学三曲会だけでなく、当時の大学クラブは、一度は倒れるまで飲まされるのが普通でした。私が1年の時ですが、2度ばかり今思い出しても怖くなる事が有りました。
酒がまったく駄目な村上さんが、本人も自分の体質を知らずに一気飲みをして、突如「心臓がカユイ」と言い出して、救急車で運ばれました。
また、浅野さんは、今までいたのに姿が見えなくなり、皆で探したら風呂桶の中に沈んでいました。引きずりだしたら口と鼻からバスグリーンの緑のお湯がドーと出てきました。
アブナイ所でしたよ。何かのツテで格安で借りた社員寮でしたので、合宿中に溺死などされたら2度とその寮が使えなくなるとこでした。
私達の1年上には酒の弱い人が揃いました。事故が起きなかったのは、言えば自慢になるので、私が気を配っていたから等とは言うつもりは有りません。
尺八でも荒稽古を昔はしていました。代表的なのを挙げると・・・。
① 寒稽古。 朝の4時ころに起きて物干し台とかに上がって尺八を吹くのです。今と違って昔はウルサイコトを言う人がいなかったのでしょうか? イエイエ、私の知る限りでは昔の方がズットウルサイ人が多かったです。そこも含めて「修行」なのでしょう。
② 波稽古。 海岸で吹いてくる風に向かって尺八を吹くのです。私達も合宿でやりましたが、効果は不明です。
③ ロングトーン。 皆で輪になって息の続くのを競争するのです。合宿の定番ですが、これは効果抜群です。
④ 百ぺん吹き。 これも学生時代に1回挑戦しました。 夕顔でしたが以後は暗譜で吹けました。
⑤ 蝋燭稽古。 倉橋容堂が学生時代に何人かとやったと言っていました。つまり、蝋燭をガッパと掴み、1本ずつ火をつけて全部が燃え尽きるまで何かの曲を吹き続けるというモノです。仰願寺蝋燭なら良いですがね、まさか百目ではないでしょうよ。
こういう稽古が何らかの効果が有ったのか? それ以前に昔は尺八にも熱く燃えた「バカ」がいたと思って下さい。今も残っているのは一緒にバカをやった連帯感です。
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