尺八の内径研磨
- 2016/09/20
- 18:06
何か月か前に林嵐山から電話がありました。「大橋の所で買った尺八で修理の依頼を受けたぞ。送るから見てみな。こんな物を売って恥ずかしくないのか?」。そこで、オキマリの口喧嘩で事は始まります。
許せん。大橋鯛山に対してあまりにも失礼だとは思わないのか。言うに事を欠いて「恥ずかしくないか?」とは何だ。オマエこそ少しでも「恥」ということを知っていれば、梅毒庵などと言う不名誉なアダナをつけられて、それで平気で法政大学三曲会のОB会に出てこれるはずがない。それこそ恥というものを知らない何よりの証拠ではあるまいか。
それで送られてきた尺八を見て、深く恥いりました。でも冷静になって考えると少し変です。そこで林嵐山に電話しました。
客はいつ買ったと言ってる?「2年前に福岡の展示会で買ったと言ってるよ」
だから変だろ。その時の鑑定員はオマエだろ。オマエが居さえしたら、すぐ変だと気がつくよ。「そう言われれば、そうだよな」。
この尺八は本来はスーパータイプだった。それを管尻を小さく再加工している。ロが低くなった分、首下を縮めて辻褄を合わせているが手孔の位置や内径が手つかずだ。 「いくら大橋でもヒドイと思ったよ」。
それに根の磨き方から見て、7年前まで根磨きをしていたKさんの仕事だ。2年前の尺八じゃない。「では、どうする?」。
もう事情を知らないまま無料で受けてしまったので仕方が無いですから、無料奉仕しましたが、買った時期やルートをハッキリ記憶して下さっていれば、誰が再加工したのか分かります。他人が手を加えて転売した物だと扱いに困ります。
この様に尺八の様に1本1本違う物は作った本人でも首を捻る事が有ります。「オレ、こんなの作ったっけ」。
また、別にお客がどう思うにせよ自分なりの思いが有ってやる作業も有ります。
たとえば「尺八の内径が綺麗でないから磨き直してくれ」。そういう依頼も有りますが、無料なら拒否します。私の所の尺八で内径がキレイなのは龍水、風道、欧秀、拙外などです。見解によって「キレイでない」と見られるのは一朝、嵐翠、銀鈴など。これは製作方の見解の相違であり、購入後の追加作業はルール違反ですので有料でなければやりません。
ここで本題。内径はピカピカツルツルが良いのでしょうか?
尺八は内径を削ったり塗ったりして整えます。問題は、「これで鳴りが出来た」と判定した後です。売る、それも高く売る為には見た目も重要です。ですから、漆塗り、紙ヤスリ掛け、漆塗り、この作業を繰り返すのです。そうすると、せっかく整った内径が変形する事は当然ですわね。しかも、この作業は手間賃を夥しく食うのです。
これをどう考えるかです。尺八のプロ演奏家で「内径をあまり磨かないでくれ」と言う人が多いのは、そこを考えてです。
では、内径が全く同じで、一方の尺八は内径ツルツル、もう一方はイマイチ(プロの仕事である以上はガサガサは有り得ません)。それだったらどうなる?常識から考えてツルツルの方が反響は良いでしょう。澄んだ音になるのかも知れません。でも、尺八というモノの厄介な所ですが、澄んだ音を好まない人も多いのです。
またツルツルになるほど金属的な音に近くなるのかも知れません。今は、そういう音が好まれています。
水道管で内径が同一の尺八を2本作って、1本はそのまま、もう1本は内径に少し砂を貼り付けます。そうして同じ人に何度も吹いてもらい、それで「どっちが良い音」とアンケートを採ったとします。結果は予想できません。
ですから私はどっちも出しています。安価な尺八の場合は内径の不必要な研磨は主として経費の問題で出来ません。ですから、いずれにしましても購入後の追加作業は内径研磨に関しては有料なのです。
許せん。大橋鯛山に対してあまりにも失礼だとは思わないのか。言うに事を欠いて「恥ずかしくないか?」とは何だ。オマエこそ少しでも「恥」ということを知っていれば、梅毒庵などと言う不名誉なアダナをつけられて、それで平気で法政大学三曲会のОB会に出てこれるはずがない。それこそ恥というものを知らない何よりの証拠ではあるまいか。
それで送られてきた尺八を見て、深く恥いりました。でも冷静になって考えると少し変です。そこで林嵐山に電話しました。
客はいつ買ったと言ってる?「2年前に福岡の展示会で買ったと言ってるよ」
だから変だろ。その時の鑑定員はオマエだろ。オマエが居さえしたら、すぐ変だと気がつくよ。「そう言われれば、そうだよな」。
この尺八は本来はスーパータイプだった。それを管尻を小さく再加工している。ロが低くなった分、首下を縮めて辻褄を合わせているが手孔の位置や内径が手つかずだ。 「いくら大橋でもヒドイと思ったよ」。
それに根の磨き方から見て、7年前まで根磨きをしていたKさんの仕事だ。2年前の尺八じゃない。「では、どうする?」。
もう事情を知らないまま無料で受けてしまったので仕方が無いですから、無料奉仕しましたが、買った時期やルートをハッキリ記憶して下さっていれば、誰が再加工したのか分かります。他人が手を加えて転売した物だと扱いに困ります。
この様に尺八の様に1本1本違う物は作った本人でも首を捻る事が有ります。「オレ、こんなの作ったっけ」。
また、別にお客がどう思うにせよ自分なりの思いが有ってやる作業も有ります。
たとえば「尺八の内径が綺麗でないから磨き直してくれ」。そういう依頼も有りますが、無料なら拒否します。私の所の尺八で内径がキレイなのは龍水、風道、欧秀、拙外などです。見解によって「キレイでない」と見られるのは一朝、嵐翠、銀鈴など。これは製作方の見解の相違であり、購入後の追加作業はルール違反ですので有料でなければやりません。
ここで本題。内径はピカピカツルツルが良いのでしょうか?
尺八は内径を削ったり塗ったりして整えます。問題は、「これで鳴りが出来た」と判定した後です。売る、それも高く売る為には見た目も重要です。ですから、漆塗り、紙ヤスリ掛け、漆塗り、この作業を繰り返すのです。そうすると、せっかく整った内径が変形する事は当然ですわね。しかも、この作業は手間賃を夥しく食うのです。
これをどう考えるかです。尺八のプロ演奏家で「内径をあまり磨かないでくれ」と言う人が多いのは、そこを考えてです。
では、内径が全く同じで、一方の尺八は内径ツルツル、もう一方はイマイチ(プロの仕事である以上はガサガサは有り得ません)。それだったらどうなる?常識から考えてツルツルの方が反響は良いでしょう。澄んだ音になるのかも知れません。でも、尺八というモノの厄介な所ですが、澄んだ音を好まない人も多いのです。
またツルツルになるほど金属的な音に近くなるのかも知れません。今は、そういう音が好まれています。
水道管で内径が同一の尺八を2本作って、1本はそのまま、もう1本は内径に少し砂を貼り付けます。そうして同じ人に何度も吹いてもらい、それで「どっちが良い音」とアンケートを採ったとします。結果は予想できません。
ですから私はどっちも出しています。安価な尺八の場合は内径の不必要な研磨は主として経費の問題で出来ません。ですから、いずれにしましても購入後の追加作業は内径研磨に関しては有料なのです。
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