義理人情
- 2016/10/17
- 21:15
「義理と人情を秤にかけりゃ・・・」だって。私の大学の頃に流行った「唐獅子牡丹」の歌詞ですよ。重かったのは義理だっけ、それとも人情?。
私の若い頃はいろんな人から、様々な局面で義理を持ち出されました。タチが悪い事に持ち出す方ってマジなんですよ。それで、私ときては、この「義理」という言葉が大好きで、だから持ち出されると滅法弱いのです。
古臭い世界だと思われている邦楽界ですが、この「義理」という言葉を出されることは意外なほど少ないのです。せいぜいが有縁の人に不幸があった時くらいですね。「通夜にでも顔を出さない事には義理が済まない」とか、よく聞きます。それ以外では、他人に行為を強いる時には一般人の方がよっぽど「義理」を口にしますよ。
だからと言って、この世界ほど「義理」を蔑ろにすると何時の間にか世間が狭くなる世界も有りませんでした。つまりですな、この邦楽の世界は「義理」をあらためて持ち出さないほどに、実はどの世界にも益して「義理」が重視されているわけです。
私の師匠の青木鈴慕という人は、この種の気使いにかけては天下一品で、ある時に私はマジに訊ききましたよ。すると冠婚葬祭はじめ各種の返礼など、交際費は収入の3割に及ぶとおっしゃいました。こういう事は聞き方ひとつで、怒らずに真面目に答えてくれるのが青木先生の美点なのです。
もうダイブ前ですが、初代鈴慕の「三十三回忌追善演奏会」のおり、私は封筒が祝儀か不祝儀かで戸惑い、「後学の為にお教えください」と先生に聞いたところ、「そうですね、2,3日待って下さい」とおっしゃって、何人もの方に確認して、「どっちでも良いそうです」とお答えくださいました。こういう事を軽く考えないのが青木鈴慕です。
若い人に、この業界の成り立ちイッサイを教えようとしてくれるんです。ただ、聞かなければそれまで。二度同じ事を聞く者もそれまで。「うるさく質問責めにしてくる者は疲れる。頭の休まる暇が無い」と広言していますからね。
この義理人情について、人類学者の中根千枝さんが興味深い事を述べています。中根さんは女性初の東大教授、そして女性第一号の日本学士院会員です。だから言ってる事が信用できるとか言うんとチャイまっせ。私なんかがドカタ飲み屋で言うタワゴトレベルとは違うと言いたいだけです。
中根さん曰く。「人情というのは表し方こそ違え人類に共通の感情。それに対して義理は社会体制が創った概念」。なるほど、ですから社会が変れば義理もかわるんですよ。
今に尺八界には日本人と同じくらいの外国人がいるようになると思います。私はそうなって欲しいから期待を込めて、そう予想します。
義理は尺八界でなくったって、今からは行動規範とか強制力をもった道徳としては作用しないでしょう。芸術だってビジネスだってスポーツだってそう。人情と秤にかけるモノとは力量。義理はずっと後まわしになりますね。
すると、これまでの尺八界の行動、企画、全てにわたって義理という皮が剥けて実体で勝負する事になりますね。ラッキョウみたいな人は辛いですな・・・。
私の若い頃はいろんな人から、様々な局面で義理を持ち出されました。タチが悪い事に持ち出す方ってマジなんですよ。それで、私ときては、この「義理」という言葉が大好きで、だから持ち出されると滅法弱いのです。
古臭い世界だと思われている邦楽界ですが、この「義理」という言葉を出されることは意外なほど少ないのです。せいぜいが有縁の人に不幸があった時くらいですね。「通夜にでも顔を出さない事には義理が済まない」とか、よく聞きます。それ以外では、他人に行為を強いる時には一般人の方がよっぽど「義理」を口にしますよ。
だからと言って、この世界ほど「義理」を蔑ろにすると何時の間にか世間が狭くなる世界も有りませんでした。つまりですな、この邦楽の世界は「義理」をあらためて持ち出さないほどに、実はどの世界にも益して「義理」が重視されているわけです。
私の師匠の青木鈴慕という人は、この種の気使いにかけては天下一品で、ある時に私はマジに訊ききましたよ。すると冠婚葬祭はじめ各種の返礼など、交際費は収入の3割に及ぶとおっしゃいました。こういう事は聞き方ひとつで、怒らずに真面目に答えてくれるのが青木先生の美点なのです。
もうダイブ前ですが、初代鈴慕の「三十三回忌追善演奏会」のおり、私は封筒が祝儀か不祝儀かで戸惑い、「後学の為にお教えください」と先生に聞いたところ、「そうですね、2,3日待って下さい」とおっしゃって、何人もの方に確認して、「どっちでも良いそうです」とお答えくださいました。こういう事を軽く考えないのが青木鈴慕です。
若い人に、この業界の成り立ちイッサイを教えようとしてくれるんです。ただ、聞かなければそれまで。二度同じ事を聞く者もそれまで。「うるさく質問責めにしてくる者は疲れる。頭の休まる暇が無い」と広言していますからね。
この義理人情について、人類学者の中根千枝さんが興味深い事を述べています。中根さんは女性初の東大教授、そして女性第一号の日本学士院会員です。だから言ってる事が信用できるとか言うんとチャイまっせ。私なんかがドカタ飲み屋で言うタワゴトレベルとは違うと言いたいだけです。
中根さん曰く。「人情というのは表し方こそ違え人類に共通の感情。それに対して義理は社会体制が創った概念」。なるほど、ですから社会が変れば義理もかわるんですよ。
今に尺八界には日本人と同じくらいの外国人がいるようになると思います。私はそうなって欲しいから期待を込めて、そう予想します。
義理は尺八界でなくったって、今からは行動規範とか強制力をもった道徳としては作用しないでしょう。芸術だってビジネスだってスポーツだってそう。人情と秤にかけるモノとは力量。義理はずっと後まわしになりますね。
すると、これまでの尺八界の行動、企画、全てにわたって義理という皮が剥けて実体で勝負する事になりますね。ラッキョウみたいな人は辛いですな・・・。
スポンサーサイト