職人の器量
- 2016/11/06
- 22:16
寿司屋に入ってツケ台に向かったら、まず卵焼きを頼む。ひとっころ、それが通だとマコトシヤカニ言われていました。「卵焼きを美味く作れる職人なら他も上手だ」と言う理由らしいのです。
こういう俗説がどうして蔓延るんですかね? でも全く根拠が無いという分けではなく、そういう時期も確かに有ったらしいのです。ただ、私が自分の金で寿司を食べ始めた頃、そう昭和40年代の後半には、もう大方の寿司屋では卵焼きは自分の店で焼いていませんでした。仕入れ、いわゆる「河岸たま」です。
いわゆる通という人がいますが、はたしてプロの職人の御眼鏡にかなうものでしょうか?お客がどの程度に分かっているのか、5分も有れば分かると言う寿司屋がいますが、それで客を評価したりはしない、それがプロの職人というものです。
私の尺八の経験ですと、プロの演奏家は部分的に私達を上回りますね。性能を判断する事には長けていると思います。でもですね、プロ奏者って自分の「型」で判断するんですよ。私達の判断は評価基準の最大公約数です。だから製管師はプロ奏者の意見を参考にはしても、全面的な傾倒はしないのですよ。
岡寺竹勇さんの作った尺八には田嶋直士さんの鑑定印が押されていますが、これは言わば例外。他には同様の例は無いでしょう?
演奏者って、どんな極端なポーズであれ、その演奏が素晴らしければ良いのですからね。私達製管師はクセの排除から音出しは始まります。
私達同様、寿司屋、蕎麦屋、ワインのソムリエもそうですが、客に訊かれれば知りたいことに答えます。ウンチクを楽しむ事も味わいの一つだからです。客が余程にヒドイ勘違いをしている場合こそ職人の器量が問われます。
客が他で恥をかかないように、本当のところを教えなくてはなりませんが、それで客に恥をかかせては何にもなりません。
客が職人と「背比べ」する気なら、話を合わせます。何にもまして大切な事は客に喜んでもらう事、心地良い時間をすごしてもらう事でしょう。
尺八屋は顧客の評価を、その本人の知識レベルではしません。吹奏力では勿論評価しています。その前に、たとえ客がどうであれ、その人に自分を役立ててもらいたいのです。通であれ半可通でも素人でも同じです。
「突き放している」と思う時が有るかも知れませんが、そういう時こそ今度は客の器量が問われます。客商売の製管師にそういう態度をとられるのは、客自身が余程に物分かりが悪く、なおかつ頑なな態度をとっているからです。
だって、私の知る限り、そうでもなければ突き放す尺八職人なんていませんよ。私達って趣味でやってんじゃないですもの・・・。
こういう俗説がどうして蔓延るんですかね? でも全く根拠が無いという分けではなく、そういう時期も確かに有ったらしいのです。ただ、私が自分の金で寿司を食べ始めた頃、そう昭和40年代の後半には、もう大方の寿司屋では卵焼きは自分の店で焼いていませんでした。仕入れ、いわゆる「河岸たま」です。
いわゆる通という人がいますが、はたしてプロの職人の御眼鏡にかなうものでしょうか?お客がどの程度に分かっているのか、5分も有れば分かると言う寿司屋がいますが、それで客を評価したりはしない、それがプロの職人というものです。
私の尺八の経験ですと、プロの演奏家は部分的に私達を上回りますね。性能を判断する事には長けていると思います。でもですね、プロ奏者って自分の「型」で判断するんですよ。私達の判断は評価基準の最大公約数です。だから製管師はプロ奏者の意見を参考にはしても、全面的な傾倒はしないのですよ。
岡寺竹勇さんの作った尺八には田嶋直士さんの鑑定印が押されていますが、これは言わば例外。他には同様の例は無いでしょう?
演奏者って、どんな極端なポーズであれ、その演奏が素晴らしければ良いのですからね。私達製管師はクセの排除から音出しは始まります。
私達同様、寿司屋、蕎麦屋、ワインのソムリエもそうですが、客に訊かれれば知りたいことに答えます。ウンチクを楽しむ事も味わいの一つだからです。客が余程にヒドイ勘違いをしている場合こそ職人の器量が問われます。
客が他で恥をかかないように、本当のところを教えなくてはなりませんが、それで客に恥をかかせては何にもなりません。
客が職人と「背比べ」する気なら、話を合わせます。何にもまして大切な事は客に喜んでもらう事、心地良い時間をすごしてもらう事でしょう。
尺八屋は顧客の評価を、その本人の知識レベルではしません。吹奏力では勿論評価しています。その前に、たとえ客がどうであれ、その人に自分を役立ててもらいたいのです。通であれ半可通でも素人でも同じです。
「突き放している」と思う時が有るかも知れませんが、そういう時こそ今度は客の器量が問われます。客商売の製管師にそういう態度をとられるのは、客自身が余程に物分かりが悪く、なおかつ頑なな態度をとっているからです。
だって、私の知る限り、そうでもなければ突き放す尺八職人なんていませんよ。私達って趣味でやってんじゃないですもの・・・。
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