素材
- 2016/12/04
- 21:55
フグって不思議ですな。その例えようのない美味さも、説明してみろと言われると出来ない。「無味の美味」とかも言われますし、「味の無い中に有る無限の味」と言った人もいます。
昔はよくフグ料理の店に行くと「天上玉餞魔界奇味」と書いた色紙が飾ってありました。誰の言葉か知りませんが、フグの味を評した言葉「天上の玉餞と言うを得べくんば、まことこれ魔界の奇味か」、「いずれにしてもフグの美味はこの世の物ではない」という意味だとフグ料理屋の御主人にききました。
今は無毒の養殖フグが出まわっていますので安心ですが、昔は中毒が頻繁におこっていました。何しろ素人が勝手に料理するんですからね、私の小さい頃に「フグはナスと一緒に喰えば中毒しない」と真顔で言っていた人がいましたが、殺人未遂の常習犯を野放しにしてるようなものですわ。
「身分の高い人達」は食べなかったとも聞きますが、福島正則が広島の領主時代に、どうしてもフグが食べたくなって、フグのどの部分に毒が有るのか調べる為に死刑囚に食べさせたといいます。正則は庶民階級の出身なのでフグの味を知っていたんでしょうかね。
庶民にはフグは身近なものですから、それだけに中毒死も日常茶飯だったようです。落語の「駱駝」とか浪曲「次郎長伝」の都鳥退治で石松の仇討ちをした段でもフグ中毒が話の鍵になっています。
その為、しばしば禁止令も出ました。でも人がタカをくくれたのは、経験から毒の有る部位を知っていて、なおかつ多量の水で洗えば、そう簡単に中毒死まではしなかったからでしょう。
そうまでして喰いたいか?そうではなくて、昔はたいして気にしていなかったのでしょう。私の子供時代には食中毒はたいがい誰でも経験しています。兄弟や親類に食中毒で死んだ者がいる人は珍しくなかった。
私の大学クラブの先輩木稲さんは、弟さんを揚げ豆腐の悪くなったのでなくしていますし、私の弟も危うく死ぬところでした。弟は卑しいですからね、きっと拾い食いでもしたんでしょうよ。
話を戻してフグですが、これほどの人気食材ですが、これって料理なのでしょうか?。鍋で茹でるだけですよね。素材の段階で勝負が着く、肝心なのは素材の持ち味を最大限引き出すことです。素材処理さえしっかり出来ていれば、極端な話、後は素人でも料理できます。
技術だとすれば、素材見極めの力、そして的確な処理能力でしょう。
地無し尺八をもちいて普化系の曲を吹く方々、「無技巧の技巧」とは「芸無し」とは意味がちがいまっせ。地無し尺八が良いモノだと思う人がいる以上は良いのです。趣味ですから、そこは論争しません。
でもね、製管師に注文して「ご自分で作ったら」と言われた事ってないですか?。いくら地無し尺八でも、素材を生かす加工は必要だと思います。「歌口には何も入れないで欲しい」までは良い。「極太で」、「中に地は少しも入れないで」、「色は塗らないで」、この条件では提供できないですよ。フグと違って中毒だけは無いですけどね。
蛇足ですが、もう一つ、地無し尺八の音は「竹の音」ではありません
昔はよくフグ料理の店に行くと「天上玉餞魔界奇味」と書いた色紙が飾ってありました。誰の言葉か知りませんが、フグの味を評した言葉「天上の玉餞と言うを得べくんば、まことこれ魔界の奇味か」、「いずれにしてもフグの美味はこの世の物ではない」という意味だとフグ料理屋の御主人にききました。
今は無毒の養殖フグが出まわっていますので安心ですが、昔は中毒が頻繁におこっていました。何しろ素人が勝手に料理するんですからね、私の小さい頃に「フグはナスと一緒に喰えば中毒しない」と真顔で言っていた人がいましたが、殺人未遂の常習犯を野放しにしてるようなものですわ。
「身分の高い人達」は食べなかったとも聞きますが、福島正則が広島の領主時代に、どうしてもフグが食べたくなって、フグのどの部分に毒が有るのか調べる為に死刑囚に食べさせたといいます。正則は庶民階級の出身なのでフグの味を知っていたんでしょうかね。
庶民にはフグは身近なものですから、それだけに中毒死も日常茶飯だったようです。落語の「駱駝」とか浪曲「次郎長伝」の都鳥退治で石松の仇討ちをした段でもフグ中毒が話の鍵になっています。
その為、しばしば禁止令も出ました。でも人がタカをくくれたのは、経験から毒の有る部位を知っていて、なおかつ多量の水で洗えば、そう簡単に中毒死まではしなかったからでしょう。
そうまでして喰いたいか?そうではなくて、昔はたいして気にしていなかったのでしょう。私の子供時代には食中毒はたいがい誰でも経験しています。兄弟や親類に食中毒で死んだ者がいる人は珍しくなかった。
私の大学クラブの先輩木稲さんは、弟さんを揚げ豆腐の悪くなったのでなくしていますし、私の弟も危うく死ぬところでした。弟は卑しいですからね、きっと拾い食いでもしたんでしょうよ。
話を戻してフグですが、これほどの人気食材ですが、これって料理なのでしょうか?。鍋で茹でるだけですよね。素材の段階で勝負が着く、肝心なのは素材の持ち味を最大限引き出すことです。素材処理さえしっかり出来ていれば、極端な話、後は素人でも料理できます。
技術だとすれば、素材見極めの力、そして的確な処理能力でしょう。
地無し尺八をもちいて普化系の曲を吹く方々、「無技巧の技巧」とは「芸無し」とは意味がちがいまっせ。地無し尺八が良いモノだと思う人がいる以上は良いのです。趣味ですから、そこは論争しません。
でもね、製管師に注文して「ご自分で作ったら」と言われた事ってないですか?。いくら地無し尺八でも、素材を生かす加工は必要だと思います。「歌口には何も入れないで欲しい」までは良い。「極太で」、「中に地は少しも入れないで」、「色は塗らないで」、この条件では提供できないですよ。フグと違って中毒だけは無いですけどね。
蛇足ですが、もう一つ、地無し尺八の音は「竹の音」ではありません
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