タカククリ
- 2016/12/22
- 23:02
7年前に死んだ私の従兄KⅯ、70年の生涯でしたが、それはまあ波乱万丈でしたな。数いる(でもないか)従兄達の中で一番好きでした。艶福の有る人で、私の知ってるだけで、入籍までしたかは別として、10人くらいの女性と所帯を構えていました。一番長い人で10何年か一緒に暮らしましたかね。
死んだ時も女性がいましたが、67、8からの付き合いです。女には羨ましいくらいモテました。ガッチリとした偉丈夫で、半世紀以上前の役者顔、言ってみたら千恵蔵や歌右衛門みたいなタイプですから、「頼もしい」と玄人女に人気が有るタイプです。そして、実体はハチャメチャ、全然頼もしくない。「フーテンの寅」を地で行ってました。
この男は女性の何倍も仕事を変えました。工員、キャバレーの支配人、焼肉屋、介護福祉士などですが、60すぎて骨董屋を始めました。話していて驚きましたよ、私だって素人ですが、従兄ときては井戸茶碗と天目の区別もついていないのですから。
ビックリして質すと、親方がいて骨董品を借りて「風呂敷商売」をしていました。営業トークの方も聞きかじりの大風呂敷専門でしたから、まあ1年で止めたのは当たり前です。何と言うか、世の中を完全にナメていましたね。ですから傍目にはどう見えようと金にも女にも困らない幸せな人生を送りました。
中卒でグレたので「オレは学歴が無いから」が口癖でしたが、もし上の学校に進学していたら、あたら才能を潰してツマラナイ人生を送ったんではないですかね。
この人ったら、昭和40年頃ですかバンドを組んで、ベトナム戦争の最中の南ベトナムに行って、アメリカ兵相手の慰問をしました。そうは言ってもドラムなんか得意でも何でもありませんよ、例によってのタカククリで「行けば何とかなるんじゃねえの」です。
行ったは良いのですが、あまりの演奏の不出来に兵士の中から「ちょっとオレに楽器を貸してみな」と申し出る者が続出し、ひったくる様にギターやドラムを手にすると演奏しだしましたが、彼らの方が段違いに上手く、大勢の米兵達が喜んで踊り出しました。
3ヶ月ほどキャンプにいたらしいですが、毎回自分達は楽器を取り上げられた様です。
それでも契約は契約ですからギャラは約束通り払ってもらいましたが、嬉しくもない事に、マネージャー(モチ日本人)にバンド全員のギャラを持ち逃げされて、アメリカ軍の貨物船に乗って、船倉で荷物の隅で泣きながら帰国しました。
これって間も無く尺八で起こります。外国に観光旅行で行った尺八吹きが、現地の人に請われて演奏しますな。今までは良かったんですよ、誰も尺八を知りませんから、「珍しい余興」で、それなりに喝采されますが、そのうち「楽器」、「音楽」として見られ聴かれてしまう時代が来るでしょう。
ヨーロッパ、中国その他の国でも、桁違いに音楽の素養が有る人が尺八に興味を持ちだしています。笛の達者な人が尺八を持つと、如何に驚くべき事が起きるか、ミュージックチャイナや台湾、今回の香港で目の当たりにして思う事です。
日本の尺八吹きの8割は他の楽器が出来ません。楽器としての機能も持つ「尺八」という物を趣味にしているのです。
外国では音楽または楽器に興味が有る人が尺八吹きの主体です。
携わっている人の数も価値観も違うのですから、技術の平均レベルを比較する事は意味が有りませんが、敢えて言及するならば、日本より下手な国は私が見た限りでは有りません。
死んだ時も女性がいましたが、67、8からの付き合いです。女には羨ましいくらいモテました。ガッチリとした偉丈夫で、半世紀以上前の役者顔、言ってみたら千恵蔵や歌右衛門みたいなタイプですから、「頼もしい」と玄人女に人気が有るタイプです。そして、実体はハチャメチャ、全然頼もしくない。「フーテンの寅」を地で行ってました。
この男は女性の何倍も仕事を変えました。工員、キャバレーの支配人、焼肉屋、介護福祉士などですが、60すぎて骨董屋を始めました。話していて驚きましたよ、私だって素人ですが、従兄ときては井戸茶碗と天目の区別もついていないのですから。
ビックリして質すと、親方がいて骨董品を借りて「風呂敷商売」をしていました。営業トークの方も聞きかじりの大風呂敷専門でしたから、まあ1年で止めたのは当たり前です。何と言うか、世の中を完全にナメていましたね。ですから傍目にはどう見えようと金にも女にも困らない幸せな人生を送りました。
中卒でグレたので「オレは学歴が無いから」が口癖でしたが、もし上の学校に進学していたら、あたら才能を潰してツマラナイ人生を送ったんではないですかね。
この人ったら、昭和40年頃ですかバンドを組んで、ベトナム戦争の最中の南ベトナムに行って、アメリカ兵相手の慰問をしました。そうは言ってもドラムなんか得意でも何でもありませんよ、例によってのタカククリで「行けば何とかなるんじゃねえの」です。
行ったは良いのですが、あまりの演奏の不出来に兵士の中から「ちょっとオレに楽器を貸してみな」と申し出る者が続出し、ひったくる様にギターやドラムを手にすると演奏しだしましたが、彼らの方が段違いに上手く、大勢の米兵達が喜んで踊り出しました。
3ヶ月ほどキャンプにいたらしいですが、毎回自分達は楽器を取り上げられた様です。
それでも契約は契約ですからギャラは約束通り払ってもらいましたが、嬉しくもない事に、マネージャー(モチ日本人)にバンド全員のギャラを持ち逃げされて、アメリカ軍の貨物船に乗って、船倉で荷物の隅で泣きながら帰国しました。
これって間も無く尺八で起こります。外国に観光旅行で行った尺八吹きが、現地の人に請われて演奏しますな。今までは良かったんですよ、誰も尺八を知りませんから、「珍しい余興」で、それなりに喝采されますが、そのうち「楽器」、「音楽」として見られ聴かれてしまう時代が来るでしょう。
ヨーロッパ、中国その他の国でも、桁違いに音楽の素養が有る人が尺八に興味を持ちだしています。笛の達者な人が尺八を持つと、如何に驚くべき事が起きるか、ミュージックチャイナや台湾、今回の香港で目の当たりにして思う事です。
日本の尺八吹きの8割は他の楽器が出来ません。楽器としての機能も持つ「尺八」という物を趣味にしているのです。
外国では音楽または楽器に興味が有る人が尺八吹きの主体です。
携わっている人の数も価値観も違うのですから、技術の平均レベルを比較する事は意味が有りませんが、敢えて言及するならば、日本より下手な国は私が見た限りでは有りません。
スポンサーサイト