猫派
- 2017/01/12
- 22:27
犬好きと猫好きとがいるそうですな。私の家では三男が可愛がるモノが欲しいのに、長男が猫毛アレルギーでネコの毛が喘息の原因になるので、それでウチでは犬を飼っています。
バカの三男は高校入試で家族構成を聞かれて、犬まで数に入れたんですぜ。それでいて、マアマアの高校に受かったんですから、実にこの国の将来を危惧させますわ。
私の妹は猫派で蛇江(ヘビエ)という名の猫を飼っていますが、この猫がまた、ロシアンブルーの血筋を鼻にかけた高慢チキで生意気なヤツで、私は躾の為に一度半殺しにしようと思っているのですが、まだ機会が有りません。幸い三味線屋に知り合いが多いので、そこに売っても良いのですが、妹の二人の息子が音痴なので、ヘタな歌ばかり聞かされているから、きっと飼われている猫の皮だって音痴が移って使い物になりませんや。
猫というヤツは、あれは実はとんでもない化け物でっせ。夜でも目が見える、高い所から堕ちても平気で受け身をとる、木だって塀だって楽々登る、狭いところにも潜り込める体の柔軟さ、音もなく忍び寄れる足裏の消音装置。しかも下手に始末すると祟る、鍋島家とか有馬家とか見ても確かでしょうが・・・。
それに、どうやら字も読めるんでっせ、だから私の子供の頃までは、猫が行方不明になると飼い主は「たちわかれ いなばのやまの みねにおうる」と張り紙を出していましたよ。仮名ばかりだったのは、流石に漢字までは読めなかったからでしょう。
こういう気持ち悪い物をタクサン飼っていたのが、初代の米川文子先生です。
先生は御生前、かねがね「三味線の皮は合成皮革でやるべきだ」とおっしゃっていました。
米川先生の双調会にはお世話になりました。毎年、文子先生の誕生日には呼んでいただいて大変な御馳走をいただきましたし、会の親睦旅行にも連れていってもらいました。
一泊の旅行でしたが、宴会でしこたま飲んだので、朝5時前に喉が渇いて下に水を飲みに行くと暗い広間に誰かいる気配がしましたので、顔を出すと文志津先生でした。
文子先生はその頃は老齢で、双調会は文志津先生が切り盛りしていました。男勝りと言うか、気の強い方で皆が怖がっていましたが、私はそれまで挨拶をする程度でしたから、別に怖いとも思った事は有りません。
その時、誰もいない広間で初めて1時間ほど二人きりで話しました。
「いつもこんなに朝が御早いのですか?」。「(文子先生の)お世話が有るでしょう。いつも夜は2時間おきに目が覚めるんですよ」。
「ご自身でおやりになるんですか?」、「当たり前ですよ。私にとって母親と同じなんですから」。
文志津という人に親しみを感じた瞬間です。
「アナタ達と違って私達って他の世界を知りません。ですから師匠は親、会員は家族なんですよ」。
邦楽界で尺八吹きは他にもっと重要な世界を持っていますね。もう師匠の家に住み込む内弟子もいません。ですから師匠の前でだけなら猫をカブれるんですよ。会も師匠も大切だとは思っても、運命共同体だとまでは思っていませんわな。
これが尺八でまず会派が壊れた理由なんです。私達って猫の皮を脱いでも出てくる実体も猫ですもの。
バカの三男は高校入試で家族構成を聞かれて、犬まで数に入れたんですぜ。それでいて、マアマアの高校に受かったんですから、実にこの国の将来を危惧させますわ。
私の妹は猫派で蛇江(ヘビエ)という名の猫を飼っていますが、この猫がまた、ロシアンブルーの血筋を鼻にかけた高慢チキで生意気なヤツで、私は躾の為に一度半殺しにしようと思っているのですが、まだ機会が有りません。幸い三味線屋に知り合いが多いので、そこに売っても良いのですが、妹の二人の息子が音痴なので、ヘタな歌ばかり聞かされているから、きっと飼われている猫の皮だって音痴が移って使い物になりませんや。
猫というヤツは、あれは実はとんでもない化け物でっせ。夜でも目が見える、高い所から堕ちても平気で受け身をとる、木だって塀だって楽々登る、狭いところにも潜り込める体の柔軟さ、音もなく忍び寄れる足裏の消音装置。しかも下手に始末すると祟る、鍋島家とか有馬家とか見ても確かでしょうが・・・。
それに、どうやら字も読めるんでっせ、だから私の子供の頃までは、猫が行方不明になると飼い主は「たちわかれ いなばのやまの みねにおうる」と張り紙を出していましたよ。仮名ばかりだったのは、流石に漢字までは読めなかったからでしょう。
こういう気持ち悪い物をタクサン飼っていたのが、初代の米川文子先生です。
先生は御生前、かねがね「三味線の皮は合成皮革でやるべきだ」とおっしゃっていました。
米川先生の双調会にはお世話になりました。毎年、文子先生の誕生日には呼んでいただいて大変な御馳走をいただきましたし、会の親睦旅行にも連れていってもらいました。
一泊の旅行でしたが、宴会でしこたま飲んだので、朝5時前に喉が渇いて下に水を飲みに行くと暗い広間に誰かいる気配がしましたので、顔を出すと文志津先生でした。
文子先生はその頃は老齢で、双調会は文志津先生が切り盛りしていました。男勝りと言うか、気の強い方で皆が怖がっていましたが、私はそれまで挨拶をする程度でしたから、別に怖いとも思った事は有りません。
その時、誰もいない広間で初めて1時間ほど二人きりで話しました。
「いつもこんなに朝が御早いのですか?」。「(文子先生の)お世話が有るでしょう。いつも夜は2時間おきに目が覚めるんですよ」。
「ご自身でおやりになるんですか?」、「当たり前ですよ。私にとって母親と同じなんですから」。
文志津という人に親しみを感じた瞬間です。
「アナタ達と違って私達って他の世界を知りません。ですから師匠は親、会員は家族なんですよ」。
邦楽界で尺八吹きは他にもっと重要な世界を持っていますね。もう師匠の家に住み込む内弟子もいません。ですから師匠の前でだけなら猫をカブれるんですよ。会も師匠も大切だとは思っても、運命共同体だとまでは思っていませんわな。
これが尺八でまず会派が壊れた理由なんです。私達って猫の皮を脱いでも出てくる実体も猫ですもの。
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