値切り
- 2017/02/04
- 16:52
そろそろ20年前になりますか、名古屋で初めて尺八展示会を開いた時、キツイ値切りに遭いました。「もう少し、もう一声」でシツコク値切られて、根負けして大きく割り引いた価格で売らざるを得なくなりました。尺八を梱包した後でもさらに値切られたんでっせ。
本格的な値切り交渉を受けたのは初めてでした。問題はその後です。展示会ですから、そのヤリトリを多くの客が聞いています。結局、その場に居合わせた客の全員にその価格にて提供する羽目になりました。ブータレたら、「アンタ、今度は大阪でっしゃろ、ゼイロクのしつこさはこんなモノじゃありませんで」とか言われましたが、そうかな?名古屋が一番キツイ・・・。
腹に据えかねていますから御尊名を出しますぞ、都山楽会の柴田センセイ。その節はエロウ世話になりましたな、礼を言いますわ。
私の死んだ後輩・後藤。名古屋のアサヒ堂カメラ店ですよ。生きていた頃、彼の店に行くと何時も客でゴッタガエシテいました。店の良く見える所に貼り紙がしてあって、そこには「店員は無愛想だがカメラは安い」と書いて有りました。
値切りをする客もいるだろう?そう言うと、「その場合は断固として断れと店員に言って有ります」との返事。
中には、シツコク交渉する客がいますが、その場合は無視。「オマエじゃ話にならん。上の者を呼んで来い」と言う客は、ハイと返事して何十分でもそのまま。怒る客も無視。徹底した姿勢を崩しませんでした。
「大橋さん、この客の多さを見てください。一人にショウモナイ事で何分も取られたら堪らんですわ。中には使い方の説明を求める客もいますが、ウチは『説明書に書いて有ります』でしまいです。まして値切りなんて、例えば一人にほんのチョット引いたとします。たちまちにして、それが相場になってしまい、次からはその値段からの交渉になってしまいます」。ナルホド、結果として何千万円もの損になるんですな。
誤解の無い様に言っておきますが、後藤はプライベートでは愉快で他人に親切な男でしたし、金にも汚くない。これはビジネスの顔です。「値の安い事が一番の親切」と割り切っていました。
尺八とカメラは違うとツクズク違うと思いますな。カメラの性能や品質はメーカーが保証していますので、後は販売価格の安さで勝負出来るんです。アサヒ堂のような客あしらいの悪い店でも「金の為なら何て事無い」、これぞ名古屋の客です。
尺八は価格とは別に品質、さらに言えば知名度を地道に浸透させねばなりません。客も一人一人とジックリ話して、その嗜好や所属さらに言えば性格など頭に入れなくてはなりません。私の客は現在約4千人ですが、千人くらいの人は名前、顔、ダイタイの住んでいる場所を記憶しています。このうち名前以外を落とすなら基本的に全員です。
そもそも尺八は自分で作っている物ですから、仕入れ値というものが存在しません。売値とは、ハッキリ言って根拠に欠けるものです。ですから、言わば「ウソ」なのですが、イッタン口に出した価格は、あくまで「ウソ」を通さなければなりません。そうしないと、ただでさえ無い尺八の信用がますます無くなる。ですから値切りの対応は難しいのです。
でも何ですな、名古屋には「オレは江戸っ子だい。よしアンタが値切られて損した分はオレが埋めてやらあ、オレの尺八を値段より高くしてくんな」と言うような真の男はいないと見た。
でも、値引き交渉を受けた相手が毎回展示会に顔を出してくれるのですから、あまり文句も言えないか・・・。名古屋展示会は大阪の次に楽しいのも事実です。
本格的な値切り交渉を受けたのは初めてでした。問題はその後です。展示会ですから、そのヤリトリを多くの客が聞いています。結局、その場に居合わせた客の全員にその価格にて提供する羽目になりました。ブータレたら、「アンタ、今度は大阪でっしゃろ、ゼイロクのしつこさはこんなモノじゃありませんで」とか言われましたが、そうかな?名古屋が一番キツイ・・・。
腹に据えかねていますから御尊名を出しますぞ、都山楽会の柴田センセイ。その節はエロウ世話になりましたな、礼を言いますわ。
私の死んだ後輩・後藤。名古屋のアサヒ堂カメラ店ですよ。生きていた頃、彼の店に行くと何時も客でゴッタガエシテいました。店の良く見える所に貼り紙がしてあって、そこには「店員は無愛想だがカメラは安い」と書いて有りました。
値切りをする客もいるだろう?そう言うと、「その場合は断固として断れと店員に言って有ります」との返事。
中には、シツコク交渉する客がいますが、その場合は無視。「オマエじゃ話にならん。上の者を呼んで来い」と言う客は、ハイと返事して何十分でもそのまま。怒る客も無視。徹底した姿勢を崩しませんでした。
「大橋さん、この客の多さを見てください。一人にショウモナイ事で何分も取られたら堪らんですわ。中には使い方の説明を求める客もいますが、ウチは『説明書に書いて有ります』でしまいです。まして値切りなんて、例えば一人にほんのチョット引いたとします。たちまちにして、それが相場になってしまい、次からはその値段からの交渉になってしまいます」。ナルホド、結果として何千万円もの損になるんですな。
誤解の無い様に言っておきますが、後藤はプライベートでは愉快で他人に親切な男でしたし、金にも汚くない。これはビジネスの顔です。「値の安い事が一番の親切」と割り切っていました。
尺八とカメラは違うとツクズク違うと思いますな。カメラの性能や品質はメーカーが保証していますので、後は販売価格の安さで勝負出来るんです。アサヒ堂のような客あしらいの悪い店でも「金の為なら何て事無い」、これぞ名古屋の客です。
尺八は価格とは別に品質、さらに言えば知名度を地道に浸透させねばなりません。客も一人一人とジックリ話して、その嗜好や所属さらに言えば性格など頭に入れなくてはなりません。私の客は現在約4千人ですが、千人くらいの人は名前、顔、ダイタイの住んでいる場所を記憶しています。このうち名前以外を落とすなら基本的に全員です。
そもそも尺八は自分で作っている物ですから、仕入れ値というものが存在しません。売値とは、ハッキリ言って根拠に欠けるものです。ですから、言わば「ウソ」なのですが、イッタン口に出した価格は、あくまで「ウソ」を通さなければなりません。そうしないと、ただでさえ無い尺八の信用がますます無くなる。ですから値切りの対応は難しいのです。
でも何ですな、名古屋には「オレは江戸っ子だい。よしアンタが値切られて損した分はオレが埋めてやらあ、オレの尺八を値段より高くしてくんな」と言うような真の男はいないと見た。
でも、値引き交渉を受けた相手が毎回展示会に顔を出してくれるのですから、あまり文句も言えないか・・・。名古屋展示会は大阪の次に楽しいのも事実です。
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