表キャラ
- 2017/02/07
- 22:24
私は大学からの友人やお客からは饒舌、つまりよくシャベル人と思われています。ただ、これを家族や工房スタッフが聞くと笑います。私の家や工房は、近所の人や作業中の訪問客には話し声がしないとよく言われるほどに、ひっそりと静かです。高校までの友人も私の事は、口数が少ないと思っています。そりゃそうだ、それが私の本性だもの。
このギャップを説明する前にお話しすることが有ります。
私の若い頃には女性は一般にオトナシク、自己主張もしませんでした。大学のクラブのミーティングでも、ほとんど発言せず、賛否を採る段になっても大勢順応です。たまに自己主張の強い女性もいて、そういう娘はダイタイ持て余されていました。
ただ、それがアノ娘達の本性だなどとは皆さんの中のドナタも思っていないですよね。公式の会議が終って、彼女達だけの「甘味処集会」になったら男の数倍の過激発言と辛辣月旦の嵐となります。つまり、かつての女性は別の人格を自然に使い分けていたのです。
私の中学高校時代はクチより手が先に出て喧嘩にあけくれましたので、その反省で、大学以後の対人意識は出来るだけ人と仲良くしたい、他人の良い様にしてあげたい、そういう気持ちが必要以上に出てしまい、それで「よくしゃべる」となったのですわ。
高校のクラス会に行くたびに「温厚になったなあ」と言われますが、嘗ての私が「チビだからって舐められてたまるか」という意識が作った別キャラだとも言えるのです。
尺八界で嘗ての名人達も当然表キャラと別キャラが有ります。
青木鈴慕は、ワガママ、すぐキレる、怒りの感情を押えられない。これが多くの人の感じている人物像です。ただ、弟子達は、青木先生が人に対して実に細やかな気使いをする人情家である事も知っていますし、こんな所にも気を使うのかと感心すると同時に、普通の社会なら通らないと呆れるほど世間ばなれした所も豊富に持っています。ですから、弟子達は「コンチクショウ」と思う反面で先生が大好きでもあるのです。「よし任せろ」と言っていただいた後の頼もしさは尺八界で比類が無い人です。
山口五郎は、弟子達に「本当にああいう穏やかな人柄なのですか?」とよく訊きました。無理を言われたり怒られた人ってまだ会った事が有りません。でもスゴク距離の近い弟子になると「私生活はベランメイですよ」と言います。ほとんどの人が見た事の無い顔です。
坂田誠山は邦楽界では「傲慢で生意気」だと言われていますが、これは弟子の印象と大きく違います。そういう顔は弟子には見せた事が有りません。傲慢キャラこそ対外的な顔で、別に取り立てて温厚ではないですが常識人です。サラリーマンになっても立派に通用します。尺八プロの中でも音楽的素養は抜きんでた人なのですが、そういうものよりも格とか付き合いが重視される邦楽界への反発が、ああいう態度になって出るのだと思います。先生の大学時代のクラブ仲間達も「当時も傲慢だった」と言いますが、つまり対外的な「ツッパリキャラ」です。
酒井竹保は、「ハッタリが強い」という評判が有りました。言う事も大風呂敷の傾向が有りましたが、大阪人のユーモア、他人へのサービス精神と考えると微笑ましいですよ。「すぐバレ」ですから実害なんて無いですからね。本性は小心で、いたって人の良いオジサンだった印象が強いのです。
ですから、他人は誰にしたところで人の事が分かっていないと思いますから、私は他人に何と批評されても全く気にならないのです。
私が尺八の名人に抱いている印象も修正する事なんかショッチュウです。でも、今のプロ尺八家って表キャラは皆素晴らしく良いですね。この時代の尺八界は態度の悪い人間は長くプロはやれません。すごくプロの技術が接近してしまっている小さい世界なのでダメなのですよ。
それって同時に他の音楽畑の様に「性格最低、音楽最高。あの技術だもの性格なんて私生活だから関係無いよ」と言われる技量の人はいまだ出ていないのだとも言えますね。
このギャップを説明する前にお話しすることが有ります。
私の若い頃には女性は一般にオトナシク、自己主張もしませんでした。大学のクラブのミーティングでも、ほとんど発言せず、賛否を採る段になっても大勢順応です。たまに自己主張の強い女性もいて、そういう娘はダイタイ持て余されていました。
ただ、それがアノ娘達の本性だなどとは皆さんの中のドナタも思っていないですよね。公式の会議が終って、彼女達だけの「甘味処集会」になったら男の数倍の過激発言と辛辣月旦の嵐となります。つまり、かつての女性は別の人格を自然に使い分けていたのです。
私の中学高校時代はクチより手が先に出て喧嘩にあけくれましたので、その反省で、大学以後の対人意識は出来るだけ人と仲良くしたい、他人の良い様にしてあげたい、そういう気持ちが必要以上に出てしまい、それで「よくしゃべる」となったのですわ。
高校のクラス会に行くたびに「温厚になったなあ」と言われますが、嘗ての私が「チビだからって舐められてたまるか」という意識が作った別キャラだとも言えるのです。
尺八界で嘗ての名人達も当然表キャラと別キャラが有ります。
青木鈴慕は、ワガママ、すぐキレる、怒りの感情を押えられない。これが多くの人の感じている人物像です。ただ、弟子達は、青木先生が人に対して実に細やかな気使いをする人情家である事も知っていますし、こんな所にも気を使うのかと感心すると同時に、普通の社会なら通らないと呆れるほど世間ばなれした所も豊富に持っています。ですから、弟子達は「コンチクショウ」と思う反面で先生が大好きでもあるのです。「よし任せろ」と言っていただいた後の頼もしさは尺八界で比類が無い人です。
山口五郎は、弟子達に「本当にああいう穏やかな人柄なのですか?」とよく訊きました。無理を言われたり怒られた人ってまだ会った事が有りません。でもスゴク距離の近い弟子になると「私生活はベランメイですよ」と言います。ほとんどの人が見た事の無い顔です。
坂田誠山は邦楽界では「傲慢で生意気」だと言われていますが、これは弟子の印象と大きく違います。そういう顔は弟子には見せた事が有りません。傲慢キャラこそ対外的な顔で、別に取り立てて温厚ではないですが常識人です。サラリーマンになっても立派に通用します。尺八プロの中でも音楽的素養は抜きんでた人なのですが、そういうものよりも格とか付き合いが重視される邦楽界への反発が、ああいう態度になって出るのだと思います。先生の大学時代のクラブ仲間達も「当時も傲慢だった」と言いますが、つまり対外的な「ツッパリキャラ」です。
酒井竹保は、「ハッタリが強い」という評判が有りました。言う事も大風呂敷の傾向が有りましたが、大阪人のユーモア、他人へのサービス精神と考えると微笑ましいですよ。「すぐバレ」ですから実害なんて無いですからね。本性は小心で、いたって人の良いオジサンだった印象が強いのです。
ですから、他人は誰にしたところで人の事が分かっていないと思いますから、私は他人に何と批評されても全く気にならないのです。
私が尺八の名人に抱いている印象も修正する事なんかショッチュウです。でも、今のプロ尺八家って表キャラは皆素晴らしく良いですね。この時代の尺八界は態度の悪い人間は長くプロはやれません。すごくプロの技術が接近してしまっている小さい世界なのでダメなのですよ。
それって同時に他の音楽畑の様に「性格最低、音楽最高。あの技術だもの性格なんて私生活だから関係無いよ」と言われる技量の人はいまだ出ていないのだとも言えますね。
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