そりゃ違うだろう

私の三男が１０日ほど入院していました。病院では１日中ベッドで寝ていたので、朝はかなり早く目が覚めてしまったらしく、早朝４時からテレビを見ていたそうです。今は松平健主演の「暴れん坊将軍」の再放送をやっているらしく、病院で見ていたらクセになって、仕事に復帰してからも録画して見ています。
今日の放送では、田舎のオバア役で浅香光代が出ていました。私は６０年前に、この人に頭を撫でてもらった事が有ります。祖父が　浅香光代の女剣劇に凝っていた時期が有り、その御伴で浅草の芝居小屋に頻繁に行きました。まだ小学校低学年ですから、「オンナ剣劇、うわ～、カッコ悪い」とも思わずに行ったけど、当時の浅草の芝居小屋ですから、昔の「河原小屋」に毛の生えた程度で、タブン客も大半がスケベジジイだったのでしょう。
浅香さんは後で有名になった人ですから立派な芸を持っていらしたに違いないですが、当時は推定ですが、「イロモノ」扱いだったと思います。でも人柄の丁寧な人で客を出口で見送り、礼を述べたり言葉を交わしたりしていたのでしょう、そこで私も頭を撫でてもらいました。

「暴れん坊将軍」だけでなく、時代劇って私みたいな通には、初めから良い人と悪人の区別がつきます。ヒケツは顔、顔ですよ。「顔の悪いヤツは心も悪い」。分かりますけどね、これってヒョットして差別でねえだか？
私はベツに構わないですよ、だけど、それじゃ高橋の河童やゴリラの目黒さんが可哀そうですよ。

大韓航空機爆破事件が有ったのは１９８６年ですか、その少し後、家族で韓国旅行をしましたが、私の家内は眞由美と言うんですよ。それを言うと韓国人が皆喜びました。「真由美」こと金賢姫は実のところ、もうその頃には同情されていました。理由は？美人だからに決まっていましょうが。意外にも女性にも人気が有りましたね。「顔が綺麗で佇まいが清楚な女性が悪い事をするからには何らかの同情すべき事情が有る」、この構図は韓国の勧善懲悪ドラマでも全く同じです。

尺八だって見た目ですわ。いやんなるけどマダ本当です。展示会を見てたら分かりますよ。外見の綺麗な尺八でないと御客は手にも採らないですもの。それで云う事は、「高い（外見の綺麗な）尺八はやっぱり鳴りが良いね」。ハイハイ、高い尺八が良いのなら、いくらでも高くしますよ。
そんなわきゃネエだろう。それだったら言うか。細工をわざとお粗末にしているわけないでしょう。外観の悪い竹だとわざと鳴らなく作るとでも思ってんですかね。安い尺八でもよ、オレッチにとっちゃあ掛ける気持ちは一緒なんだわ。

もう少し、もう少しでそういう傾向もグッと減る。だって、尺八を見た目だけで判断する人ってタイガイは「日本のジイチャン」ですもの。でも人間を外見で判断するのは人間のサガですかね。