倍倍の怖さ
- 2017/02/20
- 22:44
どうかしている、絶対にこの尺八という世界に異常が起きている。2月は毎年それほど注文が多くない月です。世間でも「ニッパチ」と言うでしょう。そういう季節ですから、溜まった注文をはく為の月になっています。だから2月は展示会もやらず、海外に商談で出かけるのに丁度良いと毎年思っていました。そうは言っても事務方には納税書類を作る大切な作業も待っています。ですから、本来こういう調整の時も必要なのです。
今年もいつも通りの2月になるはずでした。それがさに有らず、昨日なんか一日に来た注文が15本ですぜ。しかも14本は中国です。この数年、中国からの尺八注文は倍々で増えています。
ちょっとでも考える人なら、倍々はすぐ限界が来てしまう事を知っています。1ミリの紙でも38回折れば月にとどいてしまう。だから「マルチ」は、どんなに上手な理屈をつけても、結局は破綻するわけです。
ですが対中国の「倍々ゲーム」は、なにせ起点が年2~3本からの出発ですから、もうしばらくは飽和に達しませんわ。2年目5,3年目10本、そして去年が6年目くらいの数量で、もう私の所の限界に近ずきました。これだと日本の御客に影響が出ます。
もし、この次に倍になると、もう無理。その次にさらなる倍状態になったら、職人養成に時間と手間がかかる業種だけに、もうどんな事をしても破綻します。
その一方で、今の状況は売れなくて製管師が続々と廃業しています。最近も中部地方の某製管師が、まだ高齢でもないのに仕事を停止しました。一口に言って時代が変わったんですよ。これは25年も前から、それこそ口をスッパクして言ってきましたから、今さら廃業する人に対する感慨は有りません。
いくら中国でも10万円の価格がつけば売れません。月イチ程度なら出ますが、それで良いと思っていたって、単独の10万円と「4万円から1万刻みに10万円も有る」とでは相手に与える印象がダイブ違いますよ。
私の注文は一部でも他に振り向けたいのが本音です。でも「その値段では無理」と言われてしまいます。では訊こう、都山の斡旋管が4万なのは何故? 一人で月20本は通常作業の範囲で作れると日頃広言してたのは誰だっけ。竹仙工房は10人で年間最高3千本作って、その10分の1しか作れないで、それでいて品質の劣る琴古の人達をコケにしてたのはドナタでしたかいの。
「そりゃ無理すれば出来るさ。でも1本5万だとして、月に百万稼いだとして、経費を払ったら60から70万じゃないか」。この辺りが本音でしょうが、それで良いと言う人でなければ、廃業覚悟で自分の信じる道を御行きなさいな。大のオトナの自己責任でござんす。
「おい大橋、でも5万円だとしても月に10本は出ないぜ」。 ごもっとも、ですからサンザン言ったでしょう。でも今からでも路線変更できなければ先は無いぜ。
中国に安くて良い尺八が大量に供給出来なければ、折角の大市場形成の可能性が潰れるかも知れませんし、あるいは5万円が供給価格の下限に入るアメリカ人製管師が出てくる事も有り得ます。
勤労の対価として尺八価格は幾らが適当なのかは論争の範囲外です。世の生産業に携わる人に、値段の正統性の議論からスタートするようなバカはいません。
何にしろ尺八の価格は高すぎると、日本の尺八愛好家だって、ほぼ100パーセントの人が思っているんです。高い理由を説明するより先に、安くする方法を考えるのが世の一般の商売だと思うんですがね。
「安価は品質の劣化を招く」と言う人だっているでしょうが、そんな製品が通用するかどうかは、日本の尺八吹きよりも平均レベルでは、はるかに楽器を正確に判断できる外国人が決めますって・・・。
自動車でも家電でも生産の合理化で量産と価格安を実現しましたが、それで品質が低下しましたかね?なにも工業を引き合いに出すまでも無く、竹仙工房がそうでしょう。大量製作、それでいて品質が良い。その時に携わっていた人達は一流の技量を身に着けて、今でも大家達の大半ですよ。
今年もいつも通りの2月になるはずでした。それがさに有らず、昨日なんか一日に来た注文が15本ですぜ。しかも14本は中国です。この数年、中国からの尺八注文は倍々で増えています。
ちょっとでも考える人なら、倍々はすぐ限界が来てしまう事を知っています。1ミリの紙でも38回折れば月にとどいてしまう。だから「マルチ」は、どんなに上手な理屈をつけても、結局は破綻するわけです。
ですが対中国の「倍々ゲーム」は、なにせ起点が年2~3本からの出発ですから、もうしばらくは飽和に達しませんわ。2年目5,3年目10本、そして去年が6年目くらいの数量で、もう私の所の限界に近ずきました。これだと日本の御客に影響が出ます。
もし、この次に倍になると、もう無理。その次にさらなる倍状態になったら、職人養成に時間と手間がかかる業種だけに、もうどんな事をしても破綻します。
その一方で、今の状況は売れなくて製管師が続々と廃業しています。最近も中部地方の某製管師が、まだ高齢でもないのに仕事を停止しました。一口に言って時代が変わったんですよ。これは25年も前から、それこそ口をスッパクして言ってきましたから、今さら廃業する人に対する感慨は有りません。
いくら中国でも10万円の価格がつけば売れません。月イチ程度なら出ますが、それで良いと思っていたって、単独の10万円と「4万円から1万刻みに10万円も有る」とでは相手に与える印象がダイブ違いますよ。
私の注文は一部でも他に振り向けたいのが本音です。でも「その値段では無理」と言われてしまいます。では訊こう、都山の斡旋管が4万なのは何故? 一人で月20本は通常作業の範囲で作れると日頃広言してたのは誰だっけ。竹仙工房は10人で年間最高3千本作って、その10分の1しか作れないで、それでいて品質の劣る琴古の人達をコケにしてたのはドナタでしたかいの。
「そりゃ無理すれば出来るさ。でも1本5万だとして、月に百万稼いだとして、経費を払ったら60から70万じゃないか」。この辺りが本音でしょうが、それで良いと言う人でなければ、廃業覚悟で自分の信じる道を御行きなさいな。大のオトナの自己責任でござんす。
「おい大橋、でも5万円だとしても月に10本は出ないぜ」。 ごもっとも、ですからサンザン言ったでしょう。でも今からでも路線変更できなければ先は無いぜ。
中国に安くて良い尺八が大量に供給出来なければ、折角の大市場形成の可能性が潰れるかも知れませんし、あるいは5万円が供給価格の下限に入るアメリカ人製管師が出てくる事も有り得ます。
勤労の対価として尺八価格は幾らが適当なのかは論争の範囲外です。世の生産業に携わる人に、値段の正統性の議論からスタートするようなバカはいません。
何にしろ尺八の価格は高すぎると、日本の尺八愛好家だって、ほぼ100パーセントの人が思っているんです。高い理由を説明するより先に、安くする方法を考えるのが世の一般の商売だと思うんですがね。
「安価は品質の劣化を招く」と言う人だっているでしょうが、そんな製品が通用するかどうかは、日本の尺八吹きよりも平均レベルでは、はるかに楽器を正確に判断できる外国人が決めますって・・・。
自動車でも家電でも生産の合理化で量産と価格安を実現しましたが、それで品質が低下しましたかね?なにも工業を引き合いに出すまでも無く、竹仙工房がそうでしょう。大量製作、それでいて品質が良い。その時に携わっていた人達は一流の技量を身に着けて、今でも大家達の大半ですよ。
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