ボケ
- 2017/02/22
- 23:22
私の次男は高校時代からプロのギタリストが志望でした。12,3年前に、「高校を中退してギターで生きる」と言い出して、担任が心配して電話してきましたので、家内が慌てました。
家内も尺八専業者の夫を持っていますので、世の普通の母親の様に「そんな事して生活出来なくなったらどうするの?」なんて事は言いません。ただ、高校を中退するとあっては賛成する分けにはいきませんわ。
私は中学からは、オトナが何と言おうと、自分が面白いと思わない事はやらないで通してきましたし、息子達にも「面白くないと思ったら学校の勉強はやらない方が将来の役に立つ」という育て方でしたから、反対は当然しません。でも、高校中退は反対です。
次男は「写真型記憶」という不思議な能力を持っていて、ほとんど勉強しなくても「学校勉強」みたいな独創性が必要ない事は得意で、試験の成績は良かったのです。ですから、ほとんど受験勉強をしないで、それなりの難関高校に合格しているので、「せっかく勉強して入ったのだから、中退したら勿体ない」とは全然思わないのです。
私は次男に、「大學へ行ってギターを弾けるクラブに入った方が良い、プロ以前の人がタクサンいて自分の位置が分かる、大學では好きに生きられる、人生の中で4年間も好き勝手に生きられる時間はヒョットしてもう無い、もしかするとギターより面白いモノが見つかるかも知れない」、そんな事を言いました。
「それとだ、今のオマエのボケは世の中で通用しない。大学へ行ってボケを直せ」
その返事。「分かった、だけど大学に行ったくらいで直るかな?」。これには面喰いましたわ。自分でもボケだと分かっている。
次男は小学校くらいから、バランスが悪いと言うか、かなり偏った頭の働きをしている事が分かりました。中学校の時、カンカンに怒って下校してきました。いきなり私にクッテかかります。
「お父さんが何時も言ってるだろ、徳川幕府が三百年も続いたのは、水戸黄門とか暴れ坊将軍、あと誰だっけ、遠山金さんとかが悪いヤツをやっつけたからだって」。
「そうだよ、あと桃太郎侍とか銭形平次もいる」、「今日、学校で発表したら大恥をかいたぞ」。「それはオマエが正しい。笑う方が間違っている」。中学生にもなって、それで納得するほどにボケなのです。長男なんか間違ってもマトモにはとりませんわ。将来、コアなプロレスファンになれる素質大と見た。(このボケが・・・、全く嘆かわしい)。
次男は結局大学に進学し、就職は1年だけ、コンピューター管理の仕事に就きイチオウの事を憶えて脱サラ。今はコンピューター音楽をやっています。月収を訊いてもハッキリ言わないところからみて、余程に少ないか多いかでしょう。こういう分野ですと、私には大体の見当もつきません。でも多いわきゃあネエわな・・・。
「自分が面白いと思った事で生きるのが一番」と小さい時から子供達に言っていましたので、それで良いと思います。「将来喰えなくなったらどうする?」って、知るかそんな事。
芸術全般、尺八だってそうですよ。ボケ、バカでなくてどうして職業の道に踏みきれますか?誰にだって「そんな事して、喰いっぱぐれたらどうする」と忠告してくれた人はいたと思います。ネプチューンさんやライリーさんにはいなかったかも知れませんが、日本人なら確率的に周囲に必ず「地道に努力して一歩一歩」と言う人がいるはずです。そういう価値観も非常に大切な事は言うまでもありません。
「ああなってこうなって それで」と筋道を立てて考えたら、そりゃアブナイ道には踏み出さない方が良いでしょうよ。でもね、あくまで想像ですが、「面白いと思う事」をやり続けて、それでルンペンになった人って、そんなに多くないと思いますよ。私の若い頃にバイト先やドカタ飲み屋で会った「ドロップアウト型ドカタ」って元は普通の仕事をしてた人ばかりです。若い頃に「好きな道」を歩んでいて、それで「食べられなくて」今は普通の仕事をしている人で、後悔している人ってあまり会った事が無いんですよ。
日本では、どんなに成功した芸術家だって、親の稼業を継いだ人以外は皆「ボケ」の瞬間が有ったと思います。芸術のプロにはボケの時代が必須だと思いますが、何時までもボケでは、これもまた困りものです。
尺八で、これまで途方も無い天才っていたかどうか知りませんが、仮に規格外の天才だとしても、「ボケ」で生きて行けるほど市場のキャッパが大きくないのです。
家内も尺八専業者の夫を持っていますので、世の普通の母親の様に「そんな事して生活出来なくなったらどうするの?」なんて事は言いません。ただ、高校を中退するとあっては賛成する分けにはいきませんわ。
私は中学からは、オトナが何と言おうと、自分が面白いと思わない事はやらないで通してきましたし、息子達にも「面白くないと思ったら学校の勉強はやらない方が将来の役に立つ」という育て方でしたから、反対は当然しません。でも、高校中退は反対です。
次男は「写真型記憶」という不思議な能力を持っていて、ほとんど勉強しなくても「学校勉強」みたいな独創性が必要ない事は得意で、試験の成績は良かったのです。ですから、ほとんど受験勉強をしないで、それなりの難関高校に合格しているので、「せっかく勉強して入ったのだから、中退したら勿体ない」とは全然思わないのです。
私は次男に、「大學へ行ってギターを弾けるクラブに入った方が良い、プロ以前の人がタクサンいて自分の位置が分かる、大學では好きに生きられる、人生の中で4年間も好き勝手に生きられる時間はヒョットしてもう無い、もしかするとギターより面白いモノが見つかるかも知れない」、そんな事を言いました。
「それとだ、今のオマエのボケは世の中で通用しない。大学へ行ってボケを直せ」
その返事。「分かった、だけど大学に行ったくらいで直るかな?」。これには面喰いましたわ。自分でもボケだと分かっている。
次男は小学校くらいから、バランスが悪いと言うか、かなり偏った頭の働きをしている事が分かりました。中学校の時、カンカンに怒って下校してきました。いきなり私にクッテかかります。
「お父さんが何時も言ってるだろ、徳川幕府が三百年も続いたのは、水戸黄門とか暴れ坊将軍、あと誰だっけ、遠山金さんとかが悪いヤツをやっつけたからだって」。
「そうだよ、あと桃太郎侍とか銭形平次もいる」、「今日、学校で発表したら大恥をかいたぞ」。「それはオマエが正しい。笑う方が間違っている」。中学生にもなって、それで納得するほどにボケなのです。長男なんか間違ってもマトモにはとりませんわ。将来、コアなプロレスファンになれる素質大と見た。(このボケが・・・、全く嘆かわしい)。
次男は結局大学に進学し、就職は1年だけ、コンピューター管理の仕事に就きイチオウの事を憶えて脱サラ。今はコンピューター音楽をやっています。月収を訊いてもハッキリ言わないところからみて、余程に少ないか多いかでしょう。こういう分野ですと、私には大体の見当もつきません。でも多いわきゃあネエわな・・・。
「自分が面白いと思った事で生きるのが一番」と小さい時から子供達に言っていましたので、それで良いと思います。「将来喰えなくなったらどうする?」って、知るかそんな事。
芸術全般、尺八だってそうですよ。ボケ、バカでなくてどうして職業の道に踏みきれますか?誰にだって「そんな事して、喰いっぱぐれたらどうする」と忠告してくれた人はいたと思います。ネプチューンさんやライリーさんにはいなかったかも知れませんが、日本人なら確率的に周囲に必ず「地道に努力して一歩一歩」と言う人がいるはずです。そういう価値観も非常に大切な事は言うまでもありません。
「ああなってこうなって それで」と筋道を立てて考えたら、そりゃアブナイ道には踏み出さない方が良いでしょうよ。でもね、あくまで想像ですが、「面白いと思う事」をやり続けて、それでルンペンになった人って、そんなに多くないと思いますよ。私の若い頃にバイト先やドカタ飲み屋で会った「ドロップアウト型ドカタ」って元は普通の仕事をしてた人ばかりです。若い頃に「好きな道」を歩んでいて、それで「食べられなくて」今は普通の仕事をしている人で、後悔している人ってあまり会った事が無いんですよ。
日本では、どんなに成功した芸術家だって、親の稼業を継いだ人以外は皆「ボケ」の瞬間が有ったと思います。芸術のプロにはボケの時代が必須だと思いますが、何時までもボケでは、これもまた困りものです。
尺八で、これまで途方も無い天才っていたかどうか知りませんが、仮に規格外の天才だとしても、「ボケ」で生きて行けるほど市場のキャッパが大きくないのです。
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