就活
- 2017/03/09
- 23:26
「まるっきり就職活動をしなかったのか」と言えば、実はそうではありません。大学4年になる直前の春休みです。1972年3月7日ですが、代官山に在った新日本プロレスへ行きました。
その前日の6日にアントニオ猪木ひきいる新日本プロレスは大田体育館で旗揚げ第一戦をやりました。そこで買ったパンフレットに「興行師募集」の記事が有ったのです。試合の実務を習いながら興行の仕事を憶えて、新日本プロレス専属の興行師になってはどうか?そういう「お知らせ」でしたので、早速に行ったわけです。
代官山のマンションが事務所で、訪問すると後にジャパンプロレスを長州力と組んで興した大塚直樹が愛想良く出迎えてくれました。2ⅮKの部屋で、通されたのは事務部屋。もう一つの部屋では猪木とユスフ・トルコが記者相手に大声でホラを吹きまくっていました。話の内容から相手は「ツーカーなれあい」のプロレス記者ではなく一般誌の取材だと分かりました。
私の相手をしてくれたのは、当時は猪木の参謀で3月前に日本プロレスの乗っ取りを企てて猪木と一緒に絶縁された木村昭政でした。木村は1年後に猪木からも絶縁されるだけに非常に印象が悪かった事を憶えています。
結局は互いの考えのスレチガイで、それで何と云う事も無く帰って来ました。では仕事はどうする?改めて考えました。
振り返ってみたら不思議ですよ、学生時代にはホンの一瞬たりとも尺八を仕事にしようと思った事は有りません。大学4年の終わりころには幾つか謝礼の出る仕事としての尺八を吹きましたが、それでもプロになろうとは思いませんでした。私みたいな音感が悪くて音楽性にも欠ける人間が目指す仕事ではないとも思わなくて、尺八のプロなんて全然イメージの中に入っていなかったのです。
4年生になってプロレスを学ぶためにアメリカに行くと決めました。それでアメリカではどう暮らすか? やっぱり当初はアメリカで尺八で稼ごうと思いました。
今から思えば「甘い」ですが、そういう甘さを今も持ちたいものですね。こういう考えの甘さが無くて、そもそも何か事を為せるものなんでしょうか。私も家族を持ち、経験を積み、忙しさにかまけて、この掛け替えのない財産である「考えの甘さ」を無くしてしまいました。
でもね、ひょっとすると再び甘さを取り戻せるかも知れません。私は、もう子供が育てあがって普通なら楽隠居の齢です。それがそうさせてはくれない。尺八のダイナミックな変革期に人生の終わり近くになって遭遇し、今は面白くて面白くて・・・。
これほどワクワクする時代に廻り遭った幸運を噛みしめています。
その前日の6日にアントニオ猪木ひきいる新日本プロレスは大田体育館で旗揚げ第一戦をやりました。そこで買ったパンフレットに「興行師募集」の記事が有ったのです。試合の実務を習いながら興行の仕事を憶えて、新日本プロレス専属の興行師になってはどうか?そういう「お知らせ」でしたので、早速に行ったわけです。
代官山のマンションが事務所で、訪問すると後にジャパンプロレスを長州力と組んで興した大塚直樹が愛想良く出迎えてくれました。2ⅮKの部屋で、通されたのは事務部屋。もう一つの部屋では猪木とユスフ・トルコが記者相手に大声でホラを吹きまくっていました。話の内容から相手は「ツーカーなれあい」のプロレス記者ではなく一般誌の取材だと分かりました。
私の相手をしてくれたのは、当時は猪木の参謀で3月前に日本プロレスの乗っ取りを企てて猪木と一緒に絶縁された木村昭政でした。木村は1年後に猪木からも絶縁されるだけに非常に印象が悪かった事を憶えています。
結局は互いの考えのスレチガイで、それで何と云う事も無く帰って来ました。では仕事はどうする?改めて考えました。
振り返ってみたら不思議ですよ、学生時代にはホンの一瞬たりとも尺八を仕事にしようと思った事は有りません。大学4年の終わりころには幾つか謝礼の出る仕事としての尺八を吹きましたが、それでもプロになろうとは思いませんでした。私みたいな音感が悪くて音楽性にも欠ける人間が目指す仕事ではないとも思わなくて、尺八のプロなんて全然イメージの中に入っていなかったのです。
4年生になってプロレスを学ぶためにアメリカに行くと決めました。それでアメリカではどう暮らすか? やっぱり当初はアメリカで尺八で稼ごうと思いました。
今から思えば「甘い」ですが、そういう甘さを今も持ちたいものですね。こういう考えの甘さが無くて、そもそも何か事を為せるものなんでしょうか。私も家族を持ち、経験を積み、忙しさにかまけて、この掛け替えのない財産である「考えの甘さ」を無くしてしまいました。
でもね、ひょっとすると再び甘さを取り戻せるかも知れません。私は、もう子供が育てあがって普通なら楽隠居の齢です。それがそうさせてはくれない。尺八のダイナミックな変革期に人生の終わり近くになって遭遇し、今は面白くて面白くて・・・。
これほどワクワクする時代に廻り遭った幸運を噛みしめています。
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