正座
- 2017/04/12
- 22:33
尺八に限らず和楽器って古典を演奏する時は正座します。どうしてですかね。江戸時代に原型をもっているからでしょうが、一部の曲については、それ以前、正座の習慣が無かった室町に遡る可能性だって有ります。
タブンですが、初期の古典本曲が虚無僧寺で吹かれていた時点では正座では吹かれていなかったと思います。まあ、それはともかく、どうでも良い事とも言えますが、正座って尺八に向いているんでしょうかね?
大学時代、合宿では正座で練習しました。連続1時間半が4マス、これが合宿での日課ですから、馴れてくると平気になりますが、初めの頃は足が痛くて大変でしたよ。「甘ったれるな、それも含めて練習だ」と言いますかい。そうかも知れませんが、足にばかり注意が行っては本末転倒ではないでしょうか。
でも畳ですと、正座以外の姿勢だと尺八に関しては、どうも吹きにくいような感じです。これでもイロイロ試したんですよ。ですから私は自分一人の練習では正座でもかまいませんが、お弟子さんや後輩を教える時などは成るべく椅子でやりました。
中尾都山が成立させた都山流では、古典の演奏でも椅子に譜面台が正式なスタイルです。都山流が基礎を固めた当時の尺八の演奏は正座していましたから、譜面が採用されてからは、譜面を床に直置きしましたので、どうしても背中が丸まり、俗に言う「猫背」になっていきますので息が続きませんし、ダイイチ見苦しい。その是正の意味も有りました。都山が東京に進出した大正後期は、立奏して前を向き堂々と吹く初代都山の雄偉な姿が尺八のイメージを変えたと言います。
ただ、これにも難が有ります。戦後の感覚では、紋付袴で椅子に座って譜面台を前に置いての尺八演奏は、どうも何となく違和感が有るのです。「奇異な感じ」と言っても良いと思います。
ですから、都山流でも古典の場合は正座で演奏する人も多いのです。正座でも譜面台の使用は私の感覚では変な感じはしません。
民謡の伴奏ですと、基本的に和装ですが、着流しでも袴着用でも姿勢に関係無く譜面台を使用しています。まあ民謡の場合はイザとなれば暗譜で十分対応できますが、ここは譜面台自体が今では音楽演奏の「必須アイテム」となっているのでしょう。吹奏楽でも何でも、暗譜で楽に演奏できるほど練習しているわけですが、その上で譜面台を前に置くんですからね。
古典本曲は別で、これは譜面台を使うとカッコ悪い。
青木鈴慕先生に譜面の使用について、お伺いした事が有ります。「それはいつも吹いている地歌なら暗譜で吹けますよ。でも、これは習慣ですね。演奏中は譜面は見ていると言えば見ているし、見ていないと言えば見ていない。言わば目の端で捉えているという感じですね」。こういうお答えをいただきました。
演奏会で吹く時くらいは「半暗譜」で演奏できるくらいに練習してくださな。そうすれば、たとえ正座でも青木先生の様な美しい吹奏姿になりますよ。
「譜面を見るから大丈夫だろう」じゃネエんだよ。アマチュアの「おさらい会」でだって糸方の人は相当に練習して出ています。
タブンですが、初期の古典本曲が虚無僧寺で吹かれていた時点では正座では吹かれていなかったと思います。まあ、それはともかく、どうでも良い事とも言えますが、正座って尺八に向いているんでしょうかね?
大学時代、合宿では正座で練習しました。連続1時間半が4マス、これが合宿での日課ですから、馴れてくると平気になりますが、初めの頃は足が痛くて大変でしたよ。「甘ったれるな、それも含めて練習だ」と言いますかい。そうかも知れませんが、足にばかり注意が行っては本末転倒ではないでしょうか。
でも畳ですと、正座以外の姿勢だと尺八に関しては、どうも吹きにくいような感じです。これでもイロイロ試したんですよ。ですから私は自分一人の練習では正座でもかまいませんが、お弟子さんや後輩を教える時などは成るべく椅子でやりました。
中尾都山が成立させた都山流では、古典の演奏でも椅子に譜面台が正式なスタイルです。都山流が基礎を固めた当時の尺八の演奏は正座していましたから、譜面が採用されてからは、譜面を床に直置きしましたので、どうしても背中が丸まり、俗に言う「猫背」になっていきますので息が続きませんし、ダイイチ見苦しい。その是正の意味も有りました。都山が東京に進出した大正後期は、立奏して前を向き堂々と吹く初代都山の雄偉な姿が尺八のイメージを変えたと言います。
ただ、これにも難が有ります。戦後の感覚では、紋付袴で椅子に座って譜面台を前に置いての尺八演奏は、どうも何となく違和感が有るのです。「奇異な感じ」と言っても良いと思います。
ですから、都山流でも古典の場合は正座で演奏する人も多いのです。正座でも譜面台の使用は私の感覚では変な感じはしません。
民謡の伴奏ですと、基本的に和装ですが、着流しでも袴着用でも姿勢に関係無く譜面台を使用しています。まあ民謡の場合はイザとなれば暗譜で十分対応できますが、ここは譜面台自体が今では音楽演奏の「必須アイテム」となっているのでしょう。吹奏楽でも何でも、暗譜で楽に演奏できるほど練習しているわけですが、その上で譜面台を前に置くんですからね。
古典本曲は別で、これは譜面台を使うとカッコ悪い。
青木鈴慕先生に譜面の使用について、お伺いした事が有ります。「それはいつも吹いている地歌なら暗譜で吹けますよ。でも、これは習慣ですね。演奏中は譜面は見ていると言えば見ているし、見ていないと言えば見ていない。言わば目の端で捉えているという感じですね」。こういうお答えをいただきました。
演奏会で吹く時くらいは「半暗譜」で演奏できるくらいに練習してくださな。そうすれば、たとえ正座でも青木先生の様な美しい吹奏姿になりますよ。
「譜面を見るから大丈夫だろう」じゃネエんだよ。アマチュアの「おさらい会」でだって糸方の人は相当に練習して出ています。
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