ジョニ黒
- 2017/04/17
- 21:17
私の子供の頃、洋酒の代表と言えばジョニーウォーカーの黒ラベル、通称ジョニ黒でした。なんせ1本1万円。大学出の初任給が1万ナンボの頃です。私が大学を出た頃ですと1本6千5百円に下がっていましたが、それでも初任給が6万くらいですから、まだ大したモノでした。
これ、海外旅行の時に空港などで免税で買うと2千円くらい、一番安いバンコクの空港で千8百円でした。ですから、土産品に買って帰り、他人にあげると非常に喜ばれたものです。「エ~、ジョ二黒か、悪いな、こんな良いモノを貰って」と、素っ頓狂な声を出された事も再三です。
私のプロレス時代のボスのマシオ駒の家に行くと、いつも20本くらいのジョニ黒と名前を知らないウイスキーが10本くらいサイドボードに並んでいました。駒さんは気前の良い人だったので、来客の有る度に帰りにはウイスキーを渡していましたが、不思議な事にいつ行っても数が減っていませんでした。思うに来日するレスラーに持って来させていたんではないですかね。いくら高給取りの駒さんでも6千5百円で買ってはいなかったでしょう。1974年当時の全日プロレスのギャラは社長の馬場が1試合13万円、サンダー杉山が7万、駒さんは6万だったと記憶しています。ですから、それに掛ける160試合。駒さんの場合、さらにコーチ料、役員手当、選手会会長手当等が有りましたが、それだってネエ・・・。
駒さん本人はあまり酒を飲まない人でしたから、これは他人への土産品として常備していたんですね。
今だったらジョ二黒は2千円チョイで買えますから、貰っても喜ばないでしょうよ。思えば安くなりました。でもね、私が貿易をやっていた頃、そう昭和50年頃ですが、ジョニ黒のイギリスでの受け渡し価格は1本650円程度でした。輸送費や各種手数料と利益を載せて「値上(値決め)」は当時は3倍が普通でしたから、税金が載らない限りは2千円、すると今の価格が近いですな。
1本が月給と同じであれ、今の様に初任給で百本買えたってジョニ黒はジョニ黒、味が変わるわけではありませんや。50年前に銀座のクラブで桐谷美玲みたいな美人を相手に社長達が社員5人分の月給で飲んでいたジョニ黒、そして今、相手をしてくれるのはオカメネエチャンですが、場末の飲み屋でも飲めるジョ二黒。サアどう違う?
昔はコスイバーだと瓶だけジョニ黒で中身は国産という所が本当に有ったらしいのです。「酔っぱらったら分からない」とタカを括っていたのでしょうが、酒の味が分かる人が増えた現在だったら極く短期でバレますし、ダイイチそんな手間をかけるヤツなんていないほど安くなりました。
2013年に私は林嵐山と善村鹿山さんとで中国で仕事をしましたが、その帰りの飛行機の中でジョニーウォーカー青ラベルを売っていて、林も善村さんもそれぞれ複数本買いました。1本が2万5千円くらいしていましたから、青でもキングジョージかなんかの高級品だったんでしょう、林なんか私の払ったギャラがそっくりジョニーウォーカーに化けました。羨ましい。私なんかウイスキーは大好きなのですが、脳梗塞になって以来「ついつい飲み過ぎるから」というんでウイスキーは家内から禁止されています。
ジョニーウォーカーは美味い、しかも私みたいなモノでも値段によって味が違うのが分かる。それでいて元々の価格は高くない。尺八もこう在りたいものです。
よくいるんですよ、使い物にならない尺八を修理に持って来られて、「だって百万したんですよ」とか言う人が・・・。昔は「値段が実体を反映しない」あるいは「値段の根拠が分からない」、その御三家と言えば「バー、寿司屋、尺八」でした。いずれも体質が変わらない所は消滅しています。日本人も昔みたいに純情ではないし、利口になりましたもの。
これ、海外旅行の時に空港などで免税で買うと2千円くらい、一番安いバンコクの空港で千8百円でした。ですから、土産品に買って帰り、他人にあげると非常に喜ばれたものです。「エ~、ジョ二黒か、悪いな、こんな良いモノを貰って」と、素っ頓狂な声を出された事も再三です。
私のプロレス時代のボスのマシオ駒の家に行くと、いつも20本くらいのジョニ黒と名前を知らないウイスキーが10本くらいサイドボードに並んでいました。駒さんは気前の良い人だったので、来客の有る度に帰りにはウイスキーを渡していましたが、不思議な事にいつ行っても数が減っていませんでした。思うに来日するレスラーに持って来させていたんではないですかね。いくら高給取りの駒さんでも6千5百円で買ってはいなかったでしょう。1974年当時の全日プロレスのギャラは社長の馬場が1試合13万円、サンダー杉山が7万、駒さんは6万だったと記憶しています。ですから、それに掛ける160試合。駒さんの場合、さらにコーチ料、役員手当、選手会会長手当等が有りましたが、それだってネエ・・・。
駒さん本人はあまり酒を飲まない人でしたから、これは他人への土産品として常備していたんですね。
今だったらジョ二黒は2千円チョイで買えますから、貰っても喜ばないでしょうよ。思えば安くなりました。でもね、私が貿易をやっていた頃、そう昭和50年頃ですが、ジョニ黒のイギリスでの受け渡し価格は1本650円程度でした。輸送費や各種手数料と利益を載せて「値上(値決め)」は当時は3倍が普通でしたから、税金が載らない限りは2千円、すると今の価格が近いですな。
1本が月給と同じであれ、今の様に初任給で百本買えたってジョニ黒はジョニ黒、味が変わるわけではありませんや。50年前に銀座のクラブで桐谷美玲みたいな美人を相手に社長達が社員5人分の月給で飲んでいたジョニ黒、そして今、相手をしてくれるのはオカメネエチャンですが、場末の飲み屋でも飲めるジョ二黒。サアどう違う?
昔はコスイバーだと瓶だけジョニ黒で中身は国産という所が本当に有ったらしいのです。「酔っぱらったら分からない」とタカを括っていたのでしょうが、酒の味が分かる人が増えた現在だったら極く短期でバレますし、ダイイチそんな手間をかけるヤツなんていないほど安くなりました。
2013年に私は林嵐山と善村鹿山さんとで中国で仕事をしましたが、その帰りの飛行機の中でジョニーウォーカー青ラベルを売っていて、林も善村さんもそれぞれ複数本買いました。1本が2万5千円くらいしていましたから、青でもキングジョージかなんかの高級品だったんでしょう、林なんか私の払ったギャラがそっくりジョニーウォーカーに化けました。羨ましい。私なんかウイスキーは大好きなのですが、脳梗塞になって以来「ついつい飲み過ぎるから」というんでウイスキーは家内から禁止されています。
ジョニーウォーカーは美味い、しかも私みたいなモノでも値段によって味が違うのが分かる。それでいて元々の価格は高くない。尺八もこう在りたいものです。
よくいるんですよ、使い物にならない尺八を修理に持って来られて、「だって百万したんですよ」とか言う人が・・・。昔は「値段が実体を反映しない」あるいは「値段の根拠が分からない」、その御三家と言えば「バー、寿司屋、尺八」でした。いずれも体質が変わらない所は消滅しています。日本人も昔みたいに純情ではないし、利口になりましたもの。
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