尺八の限界価格
- 2017/04/25
- 22:28
尺八の適正価格とは幾らぐらいでしょうか。たとえば悠をはじめとする1万円内外のプラスチック尺八には旺盛な需要が有り、年間数千本の単位で売れています。でも、ここが2万円になったら、おそらく売り上げは7割減ではきかないでしょう。もし竹でこの価格が実現できたなら、それは売れますよ。ことによれば悠をすら凌ぐかも知れません。では2万円で竹製は作れるのか?
もし、現金で年間買い取りが百本、そして10年は続けるという条件ですと、やれる所が有るかも知れません。これはビジネスではなく、あくまで普及目的です。つまり、他で高く売れている人がアルバイトを入れて、余力で作るのです。尺八製作工程の半分はバイトで出来ます。ですから年間百ならやれますが、余力をはみ出る数、たとえば二百ですと出来ません。でも、この価格2万はたぶん無理です。
私の所の最低価格29800円も、すでに通常では出来なくなっています。上の価格帯の尺八が製作途中で割れたり、竹にシワが入ったり、矯め戻りが起きたりした場合に29800円にしています。性能が落ちるという事は無いので、外観を全く気にしない人が希望して、すぐ無くなってしまいますが、この価格でも通常製作で作れたのは15年くらい前までですかね。
そして、この3万円は尺八の売り上げには早くもストップがかかる価格なのです。すでに尺八を吹いている人達には理解できないでしょうが、世間一般で尺八に多少興味が有る程度の人ですと、もう購入を躊躇します。その証拠にカルチャーでやっている人や大学クラブの多くは水道管尺八やプラスチック尺八で済ませてしまいます。
こんな事をとやかく言っても始まりません。尺八の一般的人気とは、ソモソモがその程度なのです。尺八普及の為の努力とは、「尺八に多少の興味を持っている人に、いかにして5万円の尺八を買ってもらうか」、今だとその範囲です。やり方次第ですが、ここは2人に1人くらいは何とか出来るでしょう。
10万円となると、たとえ尺八に興味を抱いている人でも、10人に1人獲得出来れば良いでしょうね。ですから、全国に広がっているカルチャー教室を尺八界が有していても、その実、全く竹の尺八が売れていないのです。
需要自体が有っても、ここまで売る為の価格が下がってしまったのはどうしてだと思いますか?尺八が定年後世代だけのもの、そう言って過言ではない状況になっているからです。
では、それはどうしてか?分かり切った事。数十年前から、尺八界はソフトや教授法が時代遅れになってしまっていて、今は口で言いくるめられる時間が切れてしまったのです。尺八の古典や現代邦楽を我慢して聴ける人が、一般社会に10パーセントいると本気で思うならば普及努力は必要無いでしょう。
学生や現役世代の人達が、このところ自分達の価値観を前面に出して和楽器に取り組みだしました。邦楽ジャーナル社主の田中さんは既成の尺八界に対して「どうか足を引っ張るのだけは止めて欲しい」と言いますが、私は意見が異なります。
構いません、ドンドン足を引っぱって下さい。この場合、中傷は何の効果も無いですし、反発エネルギーすら起きません。だって全く違う土俵なのですもの。規制社中からの離脱派ではなく、最初から何のかかわりも持っていない人が尺八を吹くケースが増えました。
このまま幸運にも新しい動きが大きくなっていったとしましょうよ。ある段階でブレークに入るまでは、やはり10万円を超えたら尺八の購入意欲にブレーキがかかると思います。私って展示会で初対面の意欲満々の若い人達に尺八を売っているのです。それからの経験で、そう思うのです。
「こんな良いモノが」とか「伝統の素晴らしさ」とかは誰でも口では言います。でも、その「素晴らしい」モノにも値段が存在するのです。
もし、現金で年間買い取りが百本、そして10年は続けるという条件ですと、やれる所が有るかも知れません。これはビジネスではなく、あくまで普及目的です。つまり、他で高く売れている人がアルバイトを入れて、余力で作るのです。尺八製作工程の半分はバイトで出来ます。ですから年間百ならやれますが、余力をはみ出る数、たとえば二百ですと出来ません。でも、この価格2万はたぶん無理です。
私の所の最低価格29800円も、すでに通常では出来なくなっています。上の価格帯の尺八が製作途中で割れたり、竹にシワが入ったり、矯め戻りが起きたりした場合に29800円にしています。性能が落ちるという事は無いので、外観を全く気にしない人が希望して、すぐ無くなってしまいますが、この価格でも通常製作で作れたのは15年くらい前までですかね。
そして、この3万円は尺八の売り上げには早くもストップがかかる価格なのです。すでに尺八を吹いている人達には理解できないでしょうが、世間一般で尺八に多少興味が有る程度の人ですと、もう購入を躊躇します。その証拠にカルチャーでやっている人や大学クラブの多くは水道管尺八やプラスチック尺八で済ませてしまいます。
こんな事をとやかく言っても始まりません。尺八の一般的人気とは、ソモソモがその程度なのです。尺八普及の為の努力とは、「尺八に多少の興味を持っている人に、いかにして5万円の尺八を買ってもらうか」、今だとその範囲です。やり方次第ですが、ここは2人に1人くらいは何とか出来るでしょう。
10万円となると、たとえ尺八に興味を抱いている人でも、10人に1人獲得出来れば良いでしょうね。ですから、全国に広がっているカルチャー教室を尺八界が有していても、その実、全く竹の尺八が売れていないのです。
需要自体が有っても、ここまで売る為の価格が下がってしまったのはどうしてだと思いますか?尺八が定年後世代だけのもの、そう言って過言ではない状況になっているからです。
では、それはどうしてか?分かり切った事。数十年前から、尺八界はソフトや教授法が時代遅れになってしまっていて、今は口で言いくるめられる時間が切れてしまったのです。尺八の古典や現代邦楽を我慢して聴ける人が、一般社会に10パーセントいると本気で思うならば普及努力は必要無いでしょう。
学生や現役世代の人達が、このところ自分達の価値観を前面に出して和楽器に取り組みだしました。邦楽ジャーナル社主の田中さんは既成の尺八界に対して「どうか足を引っ張るのだけは止めて欲しい」と言いますが、私は意見が異なります。
構いません、ドンドン足を引っぱって下さい。この場合、中傷は何の効果も無いですし、反発エネルギーすら起きません。だって全く違う土俵なのですもの。規制社中からの離脱派ではなく、最初から何のかかわりも持っていない人が尺八を吹くケースが増えました。
このまま幸運にも新しい動きが大きくなっていったとしましょうよ。ある段階でブレークに入るまでは、やはり10万円を超えたら尺八の購入意欲にブレーキがかかると思います。私って展示会で初対面の意欲満々の若い人達に尺八を売っているのです。それからの経験で、そう思うのです。
「こんな良いモノが」とか「伝統の素晴らしさ」とかは誰でも口では言います。でも、その「素晴らしい」モノにも値段が存在するのです。
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