波動

昨日、展示会が終わりました。その様子などは早々にアップしますが、このところ来客層には急激な変化が出ています。ほんの７，８年前までは、いらっしゃる方の大半がダイレクトメールでの案内を見てくれた人達でした。それが流派会派の名簿が源泉になっていることは当然です。
４，５年前から尺八界は急速な構造変化が本格化し、その結果、今は来られる人も「インターネットを見て」という人が多くなりました。今回の展示会も来客の半数近くが流派や会派に所属していません。「今の流派が新しい局面を開拓出来ていないし、今後も盛り返しは無い」、これは流派に属している方にすら共通の認識となっているほど事態は進んでしまっています。
オレって間断無く日本各地で展示会を開き、つど多くの人達と話し込むから分かるの。流や会のトップって知らないよね。皆が本当の事なんて言わないもんね。

今回の初日は横須賀でしたが、隣の部屋でやってたのが「波動治療」でした。「アンタは、そういうの全く信じていないと常日頃言ってるじゃん」ってか、疑問はもっともですが、マアお待ちを・・・。
その「波動治療」の先生が、尺八に興味を持ったらしく私達の展示場に入ってきました。いろいろ話まして、予約客が来たと女性の助手が呼びに来てもナカナカ腰を上げませんでした。女性の助手も入ってきて尺八を見るなり「うわ～、カッコイイ」と言った切り、先生を呼びに来たことを忘れて、しばらく見入っていました。これが尺八の潜在的な力、あるいは魅力なのです。
尺八は、その音色とか工芸的美しさ、そして神秘的というか、その一種異様な雰囲気とかで多くの人をひきつけます。これは現時点でもそうなのです。この事で言えば、むしろ今のほうが私の若いころより日本人に興味を持たれているかもしれません。

私の客には多くの気功師や「超能力治療」の方がいます。たぶん２０人くらいです。そういう方面の方とも尺八は相通じるものが有るのでしょうね。
その分野の人とも会えばジックリ話を聞きますが、勿論そんな能力が存在しているなんて思ったことは有りません。でも、その人間が本来持っている自然治癒力を高める「プラシーボ効果」としての有効性まで否定するものではありません。
「波動治療師」は１０年くらい前にエジプト系フランス人の人に尺八を買ってもらいましたが、それ以来会うのは二人目です。前のフランス人は本気で「波動」の存在を信じていましたが、今回の方は「人間本来の自然治癒力を高める助け」と何度も言葉に出しました。当たり前ですが、先生も商売ですから「そんなものはない」なんて間違っても言いませんよ。

健康で言うなら、尺八を吹く人が元気なわけではなく、尺八は、ただでさえ高齢者に愛好家が多く、元気でなければソモソモ人前に出てきませんから「尺八を吹く人には元気な老人が多い」となるんでしょうが、だからって、尺八が持つ「楽器とは別の能力」を否定できないですわな。
今回の展示会に新都山流の準師範になりたての８６歳の方がみえまして、１尺６寸管を買われました。「春の海を吹くのが目標です」とおっしゃられましたが、こういう気力に満ちた御老人が、いざやるとして尺八以上に向いている「楽器」って有ると思いますか？これも音楽、楽器という面をトコトン詰めてしまってはいないからです。
一つ間違うと危ない領域にも踏み出しかねないけど、有効に作用すれば素晴らしい。これも「波動治療」と同じですよ。