ルール
- 2017/10/10
- 17:22
8月に中国から3人の尺八吹きが来ました。いずれも三橋貴風さんの主宰する貴風会の会員でしたが、彼らを自動車で運んでいる時の事、彼らが鈴慕会に入会を希望している事が分かりました。私は驚くと同時に呆れましたよ。言っておきますが、私は流や会派の論理なんかに興味は無いのです。どうせ後せいぜい四半世紀も持たない仕組みに論理的ないし道徳的な整合性を求めたって仕方がないと思っています。でも、「流や会派のルール」とは、「主宰する者の意思」ですから、所属する以上はルールを守らなければいけないと思います。会のルールとは?師匠の専権事項に他なりません。原理的には、どんなに利己的で自分勝手なものでも良いのです。
彼らは彼らで中国人ならではの基準が存在しています。「なぜ複数の会に所属してはいけないんだ。会費はちゃんと払う」。ナルホド・・・。
感心してもいられなので、私は鈴慕会の一員として会に警告しましたよ。筋を鈴慕会として明確にしないとトラブルの種になりますからね。
三橋さんのスタンスははっきりしていて「両属は認めない。だが、ちゃんと退会の手続きをとってからなら何処の会に入ろうと自由。だけどオマエは貴風会を退会せずに鈴慕会に入会したじゃないか」と言うものですから、これはこれで筋が通っています。
これがイヤなら始めから三橋貴風の弟子にならなければ良いのです。師匠が自分の主宰する会のルールをどう決めようと師匠の自由ですからね。ですから新たに迎え入れる側も、せめて「どこかの所属員ではないか」くらいは確認するべきだと思うのですよ。「両属もオーケー」という会も有りますから、この機微を外国人に納得させるのは厄介です。尺八界も今の様に外国人が多くなってくると、日本人の間でなら言葉にしなくとも通じ合えた「暗黙の了解」が通じにくくなりますね。
「もう入会してしまった。どうしたら良いだろう?」と相談を受けたので、自分の立場を明快にして、ルールに外れた所は謝罪して、よく話し合えば三橋さんは頭のスマートな人なので納得はしなくても喧嘩にはならないだろうと言いました。
「三橋さんを怒らせると尺八界で爪弾きにならないか」と随分心配していましたので、スタッフ一同笑い転げました。日本の事情が分かれば、今の尺八界に「この人を怒らせたら最後、明日は無い」なんて人はいない事が分かります。
だからと言って、会のルールは師匠に対する敬意として順守する事は必要です。たとえば私の師匠、青木鈴慕という人は、三橋さんの5倍くらいウルサイ師匠で、また三橋さんの10倍くらい自分勝手な人ですが、実に腹の太い人で清濁併せ呑むスケールの大きさが有りました。ですから、この私みたいな者でも勝手が効いたのです。でも、根本の所で筋を通さないと排除されました。
芸や人間に惚れて弟子になった以上は、師匠のルールを理解出来なくても呑む事も大切です。師匠の「イヤなヤツは月謝を貰っても教えたくない」なんて気持ちは良く理解できますよ。義務教育ではないんですもの破門するくらいは師匠の権利です。
でも、その後、ナントカ話は着いたみたいです。三橋さんが自分のルールを主張して、中国人が自分の至らない事に気が付いたとしておきましょう。
ヨーロッパの封建制度って日本人の常識では理解できないですね。大名土豪なんか主君を複数持って良いんですもの。主従間で契約を交わし、その契約に抵触しない範囲なら認められるのです。「契約では自分が従軍するのは、あの川までです」とか「私が貴方様に従うのは9月までで、10月からはアッチと契約しているので例年通り3月まではアッチの側に行きます」いう具合ですから、日本人からしたら「信じられない事をしている」と映るんでしょうが、契約社会では「何が変なの?」です。ですから両属って実に難しい問題です。
彼らは彼らで中国人ならではの基準が存在しています。「なぜ複数の会に所属してはいけないんだ。会費はちゃんと払う」。ナルホド・・・。
感心してもいられなので、私は鈴慕会の一員として会に警告しましたよ。筋を鈴慕会として明確にしないとトラブルの種になりますからね。
三橋さんのスタンスははっきりしていて「両属は認めない。だが、ちゃんと退会の手続きをとってからなら何処の会に入ろうと自由。だけどオマエは貴風会を退会せずに鈴慕会に入会したじゃないか」と言うものですから、これはこれで筋が通っています。
これがイヤなら始めから三橋貴風の弟子にならなければ良いのです。師匠が自分の主宰する会のルールをどう決めようと師匠の自由ですからね。ですから新たに迎え入れる側も、せめて「どこかの所属員ではないか」くらいは確認するべきだと思うのですよ。「両属もオーケー」という会も有りますから、この機微を外国人に納得させるのは厄介です。尺八界も今の様に外国人が多くなってくると、日本人の間でなら言葉にしなくとも通じ合えた「暗黙の了解」が通じにくくなりますね。
「もう入会してしまった。どうしたら良いだろう?」と相談を受けたので、自分の立場を明快にして、ルールに外れた所は謝罪して、よく話し合えば三橋さんは頭のスマートな人なので納得はしなくても喧嘩にはならないだろうと言いました。
「三橋さんを怒らせると尺八界で爪弾きにならないか」と随分心配していましたので、スタッフ一同笑い転げました。日本の事情が分かれば、今の尺八界に「この人を怒らせたら最後、明日は無い」なんて人はいない事が分かります。
だからと言って、会のルールは師匠に対する敬意として順守する事は必要です。たとえば私の師匠、青木鈴慕という人は、三橋さんの5倍くらいウルサイ師匠で、また三橋さんの10倍くらい自分勝手な人ですが、実に腹の太い人で清濁併せ呑むスケールの大きさが有りました。ですから、この私みたいな者でも勝手が効いたのです。でも、根本の所で筋を通さないと排除されました。
芸や人間に惚れて弟子になった以上は、師匠のルールを理解出来なくても呑む事も大切です。師匠の「イヤなヤツは月謝を貰っても教えたくない」なんて気持ちは良く理解できますよ。義務教育ではないんですもの破門するくらいは師匠の権利です。
でも、その後、ナントカ話は着いたみたいです。三橋さんが自分のルールを主張して、中国人が自分の至らない事に気が付いたとしておきましょう。
ヨーロッパの封建制度って日本人の常識では理解できないですね。大名土豪なんか主君を複数持って良いんですもの。主従間で契約を交わし、その契約に抵触しない範囲なら認められるのです。「契約では自分が従軍するのは、あの川までです」とか「私が貴方様に従うのは9月までで、10月からはアッチと契約しているので例年通り3月まではアッチの側に行きます」いう具合ですから、日本人からしたら「信じられない事をしている」と映るんでしょうが、契約社会では「何が変なの?」です。ですから両属って実に難しい問題です。
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