展示会後の雑感
- 2017/10/30
- 19:41
昨日、東北展示会から帰ってきました。最終日の大宮は台風の中での展示会ですので例年に無く来客は少なく、それでいてソコソコの数が出たのは、購入するつもりが無ければ大雨の中そもそも来ないからですわな。
展示会で売れた尺八は約200万円。でも4日でですよ。この金額は15年前なら2日で達成できました。総経費も4人で53万円かかっています。前なら3人で40万円くらいでした。
でもまだ、この程度を達成出来たのは、業界一の競争力を持つ強い商品をセレクトできる小社だからです。でももう、この先数年で、こういう形での展示会は終わりでしょう。私の所も年毎に海外需要の比重が高まっています。今日も来年の中国展示会の打ち合わせに古屋輝夫さんの所に行って来ました。そして明後日からは今年2度目の上海行きです。
これからの尺八製作業界ですが、15年後には今有る製管工房の大半が姿を消します。残っているのはウチと真山、一城、筦山、後3,4社がかろうじて残っていますかね。製管師の高齢化の上、後継者がいませんもの。今からでの後継者養成は時間的にもう無理ですね。それに製管師が自分の子供に「食えないから製管師になるな」と言う時代はもう20年も前からです。ですので、ここまでの未来図は予想でなく予測です。数字で蓋然がほぼ見当の付く事です。
今からの10年で、おそらく中国では尺八製作者は何十件も出来るでしょう。今の製管希望者の数からいって当然そうなると思います。
そして日本でも新しい展開が起こります。もうすでに中古尺八の市場が出来てしまいましたが、これはまだ前段階。次には演奏だけでは生活出来ない若手プロ(つまり、ほとんど全員)が、中古尺八を再調律して自分の影響力の及ぶ範囲で売りはじめます。尺八製作において、商品としての外観製作こそが難易度が高く、鳴りの調整つまり調律は吹く技量の高い人にとっては、さほど難しいものではないからです。
そして、一人が仮に年間4,5本であっても、トータルするとプロ製管師にとっては一大脅威となります。今の様に「1割の出物を求めて9割のガラクタを買う」という構図ではなく、本格的な「尺八リサイクル」の時代が成立します。成り立ちは中古車販売業と似ていますかね。中古車を修理もしないで売ったりはしないですからね。
そして、この事は尺八の新時代にはどうしても必要な事なのです。
今日も古屋輝夫さんに言われました。「もう間もなく中国で続々と製管が始まるね」。それに対する私の見解は以下の様なものです。
日本でも何処でも、もう高額の尺八が売れる時代は終わってしまった。少数の「高額需要」をあてにしては市場を成り立たせられない。広く尺八を広めるためには日本人製管師の新管製作品だけでは絶対に無理。その為には中古手直し品も必要なら外国人製管師による現地生産も必要です。
危ぶむ声の代表は「安くても粗悪な尺八により『悪貨が良貨を駆逐する』ということが起こる」と言うものでしょう。それによって生活が成り立たなくなる人もおりましょう。
ですがね、「市場原理」にも時としてペテンが有りますけど、相対的には最もマトモでインチキの少ないものなんですよ。
展示会で売れた尺八は約200万円。でも4日でですよ。この金額は15年前なら2日で達成できました。総経費も4人で53万円かかっています。前なら3人で40万円くらいでした。
でもまだ、この程度を達成出来たのは、業界一の競争力を持つ強い商品をセレクトできる小社だからです。でももう、この先数年で、こういう形での展示会は終わりでしょう。私の所も年毎に海外需要の比重が高まっています。今日も来年の中国展示会の打ち合わせに古屋輝夫さんの所に行って来ました。そして明後日からは今年2度目の上海行きです。
これからの尺八製作業界ですが、15年後には今有る製管工房の大半が姿を消します。残っているのはウチと真山、一城、筦山、後3,4社がかろうじて残っていますかね。製管師の高齢化の上、後継者がいませんもの。今からでの後継者養成は時間的にもう無理ですね。それに製管師が自分の子供に「食えないから製管師になるな」と言う時代はもう20年も前からです。ですので、ここまでの未来図は予想でなく予測です。数字で蓋然がほぼ見当の付く事です。
今からの10年で、おそらく中国では尺八製作者は何十件も出来るでしょう。今の製管希望者の数からいって当然そうなると思います。
そして日本でも新しい展開が起こります。もうすでに中古尺八の市場が出来てしまいましたが、これはまだ前段階。次には演奏だけでは生活出来ない若手プロ(つまり、ほとんど全員)が、中古尺八を再調律して自分の影響力の及ぶ範囲で売りはじめます。尺八製作において、商品としての外観製作こそが難易度が高く、鳴りの調整つまり調律は吹く技量の高い人にとっては、さほど難しいものではないからです。
そして、一人が仮に年間4,5本であっても、トータルするとプロ製管師にとっては一大脅威となります。今の様に「1割の出物を求めて9割のガラクタを買う」という構図ではなく、本格的な「尺八リサイクル」の時代が成立します。成り立ちは中古車販売業と似ていますかね。中古車を修理もしないで売ったりはしないですからね。
そして、この事は尺八の新時代にはどうしても必要な事なのです。
今日も古屋輝夫さんに言われました。「もう間もなく中国で続々と製管が始まるね」。それに対する私の見解は以下の様なものです。
日本でも何処でも、もう高額の尺八が売れる時代は終わってしまった。少数の「高額需要」をあてにしては市場を成り立たせられない。広く尺八を広めるためには日本人製管師の新管製作品だけでは絶対に無理。その為には中古手直し品も必要なら外国人製管師による現地生産も必要です。
危ぶむ声の代表は「安くても粗悪な尺八により『悪貨が良貨を駆逐する』ということが起こる」と言うものでしょう。それによって生活が成り立たなくなる人もおりましょう。
ですがね、「市場原理」にも時としてペテンが有りますけど、相対的には最もマトモでインチキの少ないものなんですよ。
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