秋の上海

11月1日より4日まで、邦楽ジャーナルの田中社長と上海に行って来ました。「2か月に１人日本からプロ尺八家を招きたい」と現地の一音無心から私が相談を受けた事が発端です。
私って尺八製作家なのです。そういうブッキングに類した事までやって、尺八界に無意味（尺八製作家としては）な影響力を持ちたくない。「私は私で、展示会毎に私の仕事の利害と無関係に誰かプロ奏者を連れてくるから、そういうブッキングみたいな事は勘弁してほしい」と自分の気持ちを述べました。
でも、誰か優秀なブッカーは必要です。せっかく大きく育とうとしている中国の尺八界を個人の欲望や流や社中の矮小な価値観で「草刈り場」にされたくない。永く相互発展の場にしたいものです。
ですから田中社長は適任だと思いました。



一音無心のスタッフ。左からプロ筝曲家の王さん、曹社長、共同経営者の傀さん。



東方楽器博物館です。ここへの訪問は田中さんの希望です。



左から通訳の呉さん、王さん、田中さん。



ここには中国各時代の楽器が中心に東アジアの民族楽器が豊富に展示してあります。尺八も有りましたが、残念ながら木管なので今度来る時に1本寄付しましょう。
ここには南尺八という、尺八に酷似した笛も展示されています。だからって短絡的に「普化尺八の原型だ」とか言わないでくださいな。違うんですからね。



黄浦江の向こうは未来都市。よくテレビに映りますよね。今日はスモッグが多いです。



こういう景色は戦前のバンドみたいですね。



ほら、いた。戦前の服装をした女の子が。観光客へのサービスです。



そして江のこちら側は戦前のイギリス租界。建物もそのまま。これが観光上海の目玉です。



この天婦羅饂飩は約千円。日本と変わりませんね。でも中華料理だと日本の半額です。大学出の初任給が上海だと8万円。日本の尺八界は、こういった数字を頭に入れてビジネスをした方が良い。どちらかが無理をしたり、一方の負担で仕事したりしたら長くは続きませんて・・・。