昼寝は終わり
- 2017/12/20
- 23:34
今年に限らず、ここ10年の尺八界は先が読みずらくなりました。8月に売れた尺八は13本、この数字が年単位で続けば首を括りたくなる最低レベルでした。
そして9月から今日までで約2百本。嬉しいけど手放しでは喜べません。何故なら15年前だと月に50は、むしろ少ない数字だったのですから・・・。尺八需要の全体的退潮は明らかです。
「でも凄いじゃないか、この尺八の売れていない時代にどうして?」とも頻繫に訊かれます。きまってらあ、安いからだよ。
「尺八は最低20万円出さないとマトモなモノは手に入らない」と、尺八の値崩れが起きた現在でも、なお言う人がいますな。それでどう?
「どうせ尺八の世界の仕組みを良く知らない素人の言う事」と気にもかけないという感じではなく、そう言う人がいくらいても関係無いのですよ。どうしてって、尺八は手作り楽器ですから、生産に追われてアップアップしている状況では、人の言う評価って気にならないのです。そう思う人は自分のお金で買うのですから、そうすれば良い。製管師は沢山いますからね。
でも、有名な製管師達が売りたくて裏で大幅値引きしている現状こそ実は正常な世界とも言えるんです。だって、これまでの需給関係を反映していない尺八価格って言わば架空概念だもの・・・。
今の尺八界で、なお一流の過半は竹仙工房の出身者、または出身者の弟子達、いわゆる「竹仙系」です。この人達が労働者だった時って、1か月に平均30本を生産していたのです。週6日、朝8時から午後6時でです。単純計算で1本の仕上がり時間は7時間から8時間ですな。
それが独立した後は、多くの場合は1本12時間から多い人で15時間をかける様になりました。この事は置いといて、ともかくもイザとなれば倍の速度で作れる人達が、じっくり腰を据えて作っているのです。非竹仙系の製管師が「自分達は量産しない」と言っていましたが、例外は有りますが、正確なところ、まあ「量産する技量が無い」のでしょう。その証拠に今ではほとんどの人が消えました。
「量産は必然的に質の低下を招く」と言う主張は一定の説得力を持っていますし、それが本当の場合も有ります。でも尺八製作の適正標準時間って、実を言えば誰も知らないでしょう。訓練精度の低い人が工夫無しでやれば1本30時間なんて簡単にかかりますよ。
そういう事が良いとか悪いとか言ってるんじゃねえんだよ。そういう牧歌的な時代は終わってしまったという事なんですよ。今、日本に変わって尺八界の主流になろうとしている中国は、経済大国とはいっても一人当たりの所得は日本の20パーセント程度でしかありません。ですから「尺八をやりたいけど高すぎる」と言う意見が共通項になっています。中国に続く尺八成長をしめしている東南アジアでも同様です。
解消法は有ります。現地生産です。ですから私は来年から本格的な現地生産の為の指導を開始します。来年の海外展示会は、すでに2月、6月、8月、9月と4回決まっています。その機会がことごとく生産指導の為の時間でもあるんです。
「高い不良品」がまかり通っていた時代は尺八界で終わっていますが、なお他の手作り業界の様に「安い最高級品」が出ないと尺八業界は駄目ですね。だからこそモノの「高級低級」と「価格の高い安い」をゴッチャにしている判断力に欠ける尺八ファンはまだいますな。
そして9月から今日までで約2百本。嬉しいけど手放しでは喜べません。何故なら15年前だと月に50は、むしろ少ない数字だったのですから・・・。尺八需要の全体的退潮は明らかです。
「でも凄いじゃないか、この尺八の売れていない時代にどうして?」とも頻繫に訊かれます。きまってらあ、安いからだよ。
「尺八は最低20万円出さないとマトモなモノは手に入らない」と、尺八の値崩れが起きた現在でも、なお言う人がいますな。それでどう?
「どうせ尺八の世界の仕組みを良く知らない素人の言う事」と気にもかけないという感じではなく、そう言う人がいくらいても関係無いのですよ。どうしてって、尺八は手作り楽器ですから、生産に追われてアップアップしている状況では、人の言う評価って気にならないのです。そう思う人は自分のお金で買うのですから、そうすれば良い。製管師は沢山いますからね。
でも、有名な製管師達が売りたくて裏で大幅値引きしている現状こそ実は正常な世界とも言えるんです。だって、これまでの需給関係を反映していない尺八価格って言わば架空概念だもの・・・。
今の尺八界で、なお一流の過半は竹仙工房の出身者、または出身者の弟子達、いわゆる「竹仙系」です。この人達が労働者だった時って、1か月に平均30本を生産していたのです。週6日、朝8時から午後6時でです。単純計算で1本の仕上がり時間は7時間から8時間ですな。
それが独立した後は、多くの場合は1本12時間から多い人で15時間をかける様になりました。この事は置いといて、ともかくもイザとなれば倍の速度で作れる人達が、じっくり腰を据えて作っているのです。非竹仙系の製管師が「自分達は量産しない」と言っていましたが、例外は有りますが、正確なところ、まあ「量産する技量が無い」のでしょう。その証拠に今ではほとんどの人が消えました。
「量産は必然的に質の低下を招く」と言う主張は一定の説得力を持っていますし、それが本当の場合も有ります。でも尺八製作の適正標準時間って、実を言えば誰も知らないでしょう。訓練精度の低い人が工夫無しでやれば1本30時間なんて簡単にかかりますよ。
そういう事が良いとか悪いとか言ってるんじゃねえんだよ。そういう牧歌的な時代は終わってしまったという事なんですよ。今、日本に変わって尺八界の主流になろうとしている中国は、経済大国とはいっても一人当たりの所得は日本の20パーセント程度でしかありません。ですから「尺八をやりたいけど高すぎる」と言う意見が共通項になっています。中国に続く尺八成長をしめしている東南アジアでも同様です。
解消法は有ります。現地生産です。ですから私は来年から本格的な現地生産の為の指導を開始します。来年の海外展示会は、すでに2月、6月、8月、9月と4回決まっています。その機会がことごとく生産指導の為の時間でもあるんです。
「高い不良品」がまかり通っていた時代は尺八界で終わっていますが、なお他の手作り業界の様に「安い最高級品」が出ないと尺八業界は駄目ですね。だからこそモノの「高級低級」と「価格の高い安い」をゴッチャにしている判断力に欠ける尺八ファンはまだいますな。
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