保証
- 2018/02/26
- 17:17
オリンピックが終りました。日本のメダル獲得数が躍進しましたな。その裏にはサポート体制が充実してきつつある、そういう現状が有ります。金が無いと練習にだって身が入らないですよ。生活に追われて練習時間だって制限されるし、その他もろもろ、とにかくスポンサーの獲得こそ大事な作業です。引退後の保証だって、当人にしてみたら切実です。
昔の邦楽界なんて、事情を知っていた人達の目からは「タニマチ産業」以外の何物でもありゃしませんわ。太筋の顧客の数で生活が左右されてたんですものね。偉大な初代都山が、尺八教授業を都山流という「システム型教授産業」に発展させましたが、戦前に在っては、なお「タニマチ産業」から完全に脱却することは不可能でした。累進課税が導入されて、所得の相対的平等化が起きた戦後社会とは違います。
ですから、「芸を磨く」とは文字通りで、「手さばき」とか「音の錬磨」とかに重点が有り、音楽教授という感じではないですね。今では復刻版ⅭⅮやユーチューブで、ある程度の事は、うかがい知れるようになりました。そりゃ今聞いても「間の取り方」とかに上手いと思う点は有りますよ、でも、その後の三本会の御三方や山口五郎先生とかと聞き比べると、マア大方は「大したことない」という感想を持ちますな。
日本が高度経済成長期を迎えた時期に青木鈴慕、山本邦山、横山勝也、山口五郎などの優れた尺八家が相次いで出たりしたのは偶然なんかじゃないのですよ。ちょっと挙げてみますね。
① 戦後の混乱期が終わり、稽古事にも金を払えるくらいは生活に余裕が出てきた。
② ようやく一般大衆にもレコードが容易く買える様になって、演奏力で宣伝できた。
③ 交通が便利になり、②で獲得したファンを稽古場に来させる事が可能になった。
④ お稽古事として筝曲会が大衆化した恩恵で、尺八家の生活基盤が広がった。
こういう経済的裏付け有ればこそなんです。
その後は尺八のプロの大半が大学の邦楽部の出身者達です。「何とか食える」と思ったんですよ。何しろ当時のプロは下手でしたもの。青木、横山といったクラスにも若さゆえの驕りで差を低く見積もっていましたし、北原篁山や村岡実といった大家でも「自分の方が上手い」と思っていた学生達が大勢いたくらいですから、その次あたりのランクのプロとなると問題にもされませんでした。
今の若い人達の尺八演奏の水準たるや、数、技術ともに尺八史上空前です。でも、このままですと近く補充は確実に止まります。食えませんもの。これ、この大橋が言うんですよ。尺八人口の減少を図形レベルで25年前に言い当てた私が言うのです。
人間なんぼ好きだからって、みすみす保証の無い世界に飛び込みますかいな。「オレがそうだ」って、イイカゲンニセンかい。それでどうなった?
北原鈴淳さんとか飯吉翔山さん等、何十人いたかは知らないけど、その才能を尺八界が確保できてていたら今頃どうなったと思う?
これを逆に言うと、生活保障が有るほど尺八界に若い人が入ってくる。人が多いほど、つまり底辺が大きいほど三角形の頂点も高くなる。
その為に尺八を普及したい。尺八界を大きくしたい。私の海外展開も尺八の価格是正もその為です。そして、その事は今どうやら成功の段階に入りつつあります。最近どこへ行っても「尺八の価格が安くなった」と聞きますし、海外の尺八人口は10年内外で日本をうかがうまでの数字になると思います。
夢だけじゃなくて、生活にも期待を持てる様になれば才能有る若い人にドンドン来てもらえる。もう少し。状況は日増しに良くなって来ています。
昔の邦楽界なんて、事情を知っていた人達の目からは「タニマチ産業」以外の何物でもありゃしませんわ。太筋の顧客の数で生活が左右されてたんですものね。偉大な初代都山が、尺八教授業を都山流という「システム型教授産業」に発展させましたが、戦前に在っては、なお「タニマチ産業」から完全に脱却することは不可能でした。累進課税が導入されて、所得の相対的平等化が起きた戦後社会とは違います。
ですから、「芸を磨く」とは文字通りで、「手さばき」とか「音の錬磨」とかに重点が有り、音楽教授という感じではないですね。今では復刻版ⅭⅮやユーチューブで、ある程度の事は、うかがい知れるようになりました。そりゃ今聞いても「間の取り方」とかに上手いと思う点は有りますよ、でも、その後の三本会の御三方や山口五郎先生とかと聞き比べると、マア大方は「大したことない」という感想を持ちますな。
日本が高度経済成長期を迎えた時期に青木鈴慕、山本邦山、横山勝也、山口五郎などの優れた尺八家が相次いで出たりしたのは偶然なんかじゃないのですよ。ちょっと挙げてみますね。
① 戦後の混乱期が終わり、稽古事にも金を払えるくらいは生活に余裕が出てきた。
② ようやく一般大衆にもレコードが容易く買える様になって、演奏力で宣伝できた。
③ 交通が便利になり、②で獲得したファンを稽古場に来させる事が可能になった。
④ お稽古事として筝曲会が大衆化した恩恵で、尺八家の生活基盤が広がった。
こういう経済的裏付け有ればこそなんです。
その後は尺八のプロの大半が大学の邦楽部の出身者達です。「何とか食える」と思ったんですよ。何しろ当時のプロは下手でしたもの。青木、横山といったクラスにも若さゆえの驕りで差を低く見積もっていましたし、北原篁山や村岡実といった大家でも「自分の方が上手い」と思っていた学生達が大勢いたくらいですから、その次あたりのランクのプロとなると問題にもされませんでした。
今の若い人達の尺八演奏の水準たるや、数、技術ともに尺八史上空前です。でも、このままですと近く補充は確実に止まります。食えませんもの。これ、この大橋が言うんですよ。尺八人口の減少を図形レベルで25年前に言い当てた私が言うのです。
人間なんぼ好きだからって、みすみす保証の無い世界に飛び込みますかいな。「オレがそうだ」って、イイカゲンニセンかい。それでどうなった?
北原鈴淳さんとか飯吉翔山さん等、何十人いたかは知らないけど、その才能を尺八界が確保できてていたら今頃どうなったと思う?
これを逆に言うと、生活保障が有るほど尺八界に若い人が入ってくる。人が多いほど、つまり底辺が大きいほど三角形の頂点も高くなる。
その為に尺八を普及したい。尺八界を大きくしたい。私の海外展開も尺八の価格是正もその為です。そして、その事は今どうやら成功の段階に入りつつあります。最近どこへ行っても「尺八の価格が安くなった」と聞きますし、海外の尺八人口は10年内外で日本をうかがうまでの数字になると思います。
夢だけじゃなくて、生活にも期待を持てる様になれば才能有る若い人にドンドン来てもらえる。もう少し。状況は日増しに良くなって来ています。
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