サギ

昔、友人と香港に行ったときの事。香港旅行で金儲けが容易く出来る方法を目の当りにしました。

50万円くらいする高額カメラに保険をかけて香港で売却。その男はカメラ屋でしたから、もともと仕入れ値ですから、いくらタックスフリーの香港でも50万に1～２万円上乗せで簡単に売れます。
その後、警察に行き、途方にくれた表情で、カメラを盗まれたと訴えるわけです。この種のことは香港では日常茶飯事ですから極く簡単な現場検証で盗難被害の証明書を出してくれます。
そして日本で購入価格の９０パーセントの保険金を受け取るというわけです。当時（1975年頃）は海外旅行は高かったですが、それでも3泊4日の香港で総額10万円で上がりました。豪勢に香港を楽しんで差引で30万の儲けです。当時の大学出の初任給が手取りで７～８万ですよ。
一社一回ですけど、それでも旅行したうえに金が儲かるのですから、まあ堪えられませんわな。

これを有名保険会社に勤めていた友人に聞くと、先刻承知だが詐取金額が少ないので黙認との事。腹立ちまぎれに「経費を使っても調べましょう」などと言って上司に帳簿でヒッパタカレル前にサギの立証はまず不可能。　「まあ仕方が無いよ。ところでオメエがやるんなら他の保険会社を使えよ」ですと。　当時は保険会社同士の情報横通しが無かった為、こんなオチャメが可能だったんです。

尺八でも2，3年前に何人かの製管師が詐欺被害に逢いました。手口は単純です。「尺八を購入したい。ついては数本送って欲しい、その中から選ぶから」。こういう申し出に製管師が何人も引っかかりました。そのまま音沙汰が無いので調べると住所はウィークリーマンションです。尺八はネットオークションで売られていました。
製管師は今でも互いに情報を共有していません。尺八代金踏み倒しの常習者に何人も引っかかるのは、そのためです。昔せめてブラックリストを作ろうという話が有ったのですが立ち消えになりました。

頼みますよ。今は製管師は何処も苦しいんですから・・・。　勘弁してよ,貴方だって弱いものイジメは寝覚めが良くないでしょう。