大東亜共栄圏
- 2018/06/08
- 22:48
私が青年だった頃、そう40年くらい前です。世界の中心はアメリカと西ヨーロッパでした。そこへ東洋で唯一の経済大国である日本が割り込む、そういう形でした。その頃はと言えば、スエズ以東の国の全経済の約半分を日本一国であげていました。
アジアはお話にならないほど貧しく、いきおい人々の目はアメリカと西ヨーロッパに向いていたものです。「日本はアジアの一員ではない」、明治以来の「脱亜論」がまだ何となく「当然だ」と日本人に受け入れられていた時代でした。
私と言えば、大学卒業以来、ほぼ5年くらいで東アジアのほとんどの国に行きました。当時は自由に行けなかった中国を含めてです。その頃、韓国、台湾、香港、フィリピン、タイなんかには、香港を除いて女性はまず行かず、観光客の主体であるオヤジ連中は「買春ツアー」と相場が決まっており、私みたいに20代の人間が頻繫に行くと、「若いくせにオンナ買いかよ。ヨッポド女にもてねえんだな」と陰口をたたかれたものです。私は昔から、他人にどう思われようと、「所詮、人は他人の事は良く分からない」と全く気にしない性格ですから、「そうだよ、よく知ってんじゃん。韓国や台湾のオンナは良いぜ」とか言っていました。
皆分かっていない。当時から「女遊びが一番面白いのは本当は日本」だって。香港でも台湾でも日本に来ていた連中は口をそろえて言ってましたぜ。「女買い」なんぞの為に年に5回も6回もアジア巡りをするわきゃねえよ。
それにしてもアジアの物価は安かった。日本円は、今から比べると、他のアジア通貨に対して非常に安かった。そうであってさえ、物価は日本と比べると信じられないほど安いものでした。
でも、現地相場を知らないオヤジ達の「オンナ買い」の相場自体は、中に入る業者のボッタくりで非常に高かった。それでも「安い安い」と喜んでいましたがね。冷静になって良く考えたら、日本と大して変わらない事が分かったと思います。だからこそ台湾や香港の小金持ちは「日本が一番面白い」と云うんですよ。
それが40年で様変わりしましたね。日本が人口や経済でイギリスとフランスの合計と、ほぼ一緒なのは当時でもそうでしたが、戦前の「三国同盟」締結当時は日本の経済力はドイツの三分の一でしたのに、今では1.5倍です。
70年代前半には経済の目標をタイとフィリッピンにおいていた韓国は、今や人口経済ともにイタリアやスペインと同レベルです。イタリアより少し小さくスペインより若干大きい。
中国は70年代には最貧国レベルでしたが、現在は、発表の数字が本当だとすれば、経済力ではイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの合計よりも大きいのです。
「東アジアの勝ち組」シンガポールはオランダと比較すると人口でも経済力でも三分の一規模ですし、それに次ぐ香港もベルギーの7割に達しています。つまり個人所得では西欧の中でも最も豊かな国と肩を並べています。台湾だって人口でも経済力でもギリシアの大体2倍チョットです。
「もう個人所得では東アジアは西ヨーロッパと遜色がない」と言って良いでしょう。勿論、ドル評価の問題とか「蓄積された社会資本や富」では、まだまだ西欧に及ばない事も事実でしょう。でも急速に差を縮めてもいます。
この現実を見れば、もうこの先の数十年は「東アジアの時代」だと分かります。しかも、この地域は今なお急激な経済成長を続けています。今はまだ貧しい人口2億5千万のインドネシアとベトナムも今の成長が続けば、今世紀半ばにはに経済大国になっているでしょうし、現在では「中進国評価」のタイ、マレーシアも先進国レベルはもう時間の問題です。
ですから、私が今現在アジアにむけて尺八の普及活動をしているのは分かりますよね。「分かる、金を儲けたいからだろう」って。人は他人の事は分かりませんが、一言。
これまで私はずっと尺八の注文が多く、生産の追いつかないが為の苦労をしてきました。「手作り尺八」という業界には生産速度に飛躍的な進歩などは無いのです。金儲け目的の商業主義自体は立派な事ですが、それだったら現時点で敢えて私がアジアに出て行く事も無いですわな。
このままでは尺八がトコトン落ちぶれる。そう思えばこそです。フィリッピンや北朝鮮は経済発展が遅れていますよね。既得権益でガンジガラメになって抜本的改革をしない保守的な所、あるいは外部との交友や情報を遮断している狭い価値観の国って駄目なんですよ。
だから尺八の団体でも、そういう所は将来が真っ暗ではなく、無いんです。「文化と経済とは違う」と言う御意見も尤もです。ですから、私は私、他人は他人。頑張って互いの道を行きましょうや。
昔、アジアの人達の反感をかった大東亜共栄圏と違って、こっちは罪が無くって良いでしょう。
アジアはお話にならないほど貧しく、いきおい人々の目はアメリカと西ヨーロッパに向いていたものです。「日本はアジアの一員ではない」、明治以来の「脱亜論」がまだ何となく「当然だ」と日本人に受け入れられていた時代でした。
私と言えば、大学卒業以来、ほぼ5年くらいで東アジアのほとんどの国に行きました。当時は自由に行けなかった中国を含めてです。その頃、韓国、台湾、香港、フィリピン、タイなんかには、香港を除いて女性はまず行かず、観光客の主体であるオヤジ連中は「買春ツアー」と相場が決まっており、私みたいに20代の人間が頻繫に行くと、「若いくせにオンナ買いかよ。ヨッポド女にもてねえんだな」と陰口をたたかれたものです。私は昔から、他人にどう思われようと、「所詮、人は他人の事は良く分からない」と全く気にしない性格ですから、「そうだよ、よく知ってんじゃん。韓国や台湾のオンナは良いぜ」とか言っていました。
皆分かっていない。当時から「女遊びが一番面白いのは本当は日本」だって。香港でも台湾でも日本に来ていた連中は口をそろえて言ってましたぜ。「女買い」なんぞの為に年に5回も6回もアジア巡りをするわきゃねえよ。
それにしてもアジアの物価は安かった。日本円は、今から比べると、他のアジア通貨に対して非常に安かった。そうであってさえ、物価は日本と比べると信じられないほど安いものでした。
でも、現地相場を知らないオヤジ達の「オンナ買い」の相場自体は、中に入る業者のボッタくりで非常に高かった。それでも「安い安い」と喜んでいましたがね。冷静になって良く考えたら、日本と大して変わらない事が分かったと思います。だからこそ台湾や香港の小金持ちは「日本が一番面白い」と云うんですよ。
それが40年で様変わりしましたね。日本が人口や経済でイギリスとフランスの合計と、ほぼ一緒なのは当時でもそうでしたが、戦前の「三国同盟」締結当時は日本の経済力はドイツの三分の一でしたのに、今では1.5倍です。
70年代前半には経済の目標をタイとフィリッピンにおいていた韓国は、今や人口経済ともにイタリアやスペインと同レベルです。イタリアより少し小さくスペインより若干大きい。
中国は70年代には最貧国レベルでしたが、現在は、発表の数字が本当だとすれば、経済力ではイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの合計よりも大きいのです。
「東アジアの勝ち組」シンガポールはオランダと比較すると人口でも経済力でも三分の一規模ですし、それに次ぐ香港もベルギーの7割に達しています。つまり個人所得では西欧の中でも最も豊かな国と肩を並べています。台湾だって人口でも経済力でもギリシアの大体2倍チョットです。
「もう個人所得では東アジアは西ヨーロッパと遜色がない」と言って良いでしょう。勿論、ドル評価の問題とか「蓄積された社会資本や富」では、まだまだ西欧に及ばない事も事実でしょう。でも急速に差を縮めてもいます。
この現実を見れば、もうこの先の数十年は「東アジアの時代」だと分かります。しかも、この地域は今なお急激な経済成長を続けています。今はまだ貧しい人口2億5千万のインドネシアとベトナムも今の成長が続けば、今世紀半ばにはに経済大国になっているでしょうし、現在では「中進国評価」のタイ、マレーシアも先進国レベルはもう時間の問題です。
ですから、私が今現在アジアにむけて尺八の普及活動をしているのは分かりますよね。「分かる、金を儲けたいからだろう」って。人は他人の事は分かりませんが、一言。
これまで私はずっと尺八の注文が多く、生産の追いつかないが為の苦労をしてきました。「手作り尺八」という業界には生産速度に飛躍的な進歩などは無いのです。金儲け目的の商業主義自体は立派な事ですが、それだったら現時点で敢えて私がアジアに出て行く事も無いですわな。
このままでは尺八がトコトン落ちぶれる。そう思えばこそです。フィリッピンや北朝鮮は経済発展が遅れていますよね。既得権益でガンジガラメになって抜本的改革をしない保守的な所、あるいは外部との交友や情報を遮断している狭い価値観の国って駄目なんですよ。
だから尺八の団体でも、そういう所は将来が真っ暗ではなく、無いんです。「文化と経済とは違う」と言う御意見も尤もです。ですから、私は私、他人は他人。頑張って互いの道を行きましょうや。
昔、アジアの人達の反感をかった大東亜共栄圏と違って、こっちは罪が無くって良いでしょう。
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