次なるもの
- 2018/08/13
- 17:08
尺八のロンドンでの世界大会が4日に終わりました。次回、4年後の2022年は中国です。
ゴールドスミス大学の大会メイン講堂に、尺八の詰まった重いトランクを転がして入ると、私のブースの場所が無いじゃと言うじゃありませんか。
古屋さんや真玉さんが「何かの連絡ミスだから大丈夫ですよ」と慰めてくれたので、大会責任者のキクデイが打ち合わせ会議から戻るのを待って掛け合いました。すると「部屋にスペースが無い」との事です。
ともかく出店の有る部屋に入ると、狭い部屋に机が乱雑に置かれ、そこに7,8業者が入っていました。顔見知りのネプチューンと山口秋月さん、弾真空さんが、隣り合わせの場所で机を並べて尺八を展示していましたので、そこに入って話をしていたら、ものの5分もしないで汗が噴き出してきました。ロンドンも例年に無い猛暑で、しかもクーラーの無い部屋、しかも狭い、しかも人で混雑、もう一つしかも窓が開いてない(当たり前か、外はもっと暑いもん)。こりゃヒデえ・・・。
なるほどスペースが無いわ。在学中は学校も違うし縁も無かったけど、それでも大学邦楽の後輩には違いない山口さんと、顔は悪いがハートは最高に良いネプチューンに少しずつ詰めてもらって、私の場所を造ろうかとも思いましたが、「これ以上は混雑したら困る」と事務の人に拒否されました。
もう一度、キクデイと掛け合うと、「ジム・フランクリンに場所を造ってもらってくれ」との返事。それでジムは、と言えば打ち合わせで忙しく、なかなか捕まりませんでした。それでも一緒に行ってくれて、彼の奥さんに私の場所を造る様に指示してくれましたが、彼のヒロコ夫人も忙しく、「やはりもう一度ジムさんに頼んで欲しい」との返事。
ドンドン状況が悪くなって行くじゃねえかよ、まるで僕って「キミスイ」の浜辺美波ちゃんみたい。自分で自分に貰い泣きしちゃう。まさか美波ちゃんみたいな悲劇的な結末が待ってるんじゃねえだろうな。
結局、ジムさんは私の為に部屋を一つ提供してくれました。私だけのスペースだし、二階なので風が入り涼しい。「どう使ってくれても良い」との事ですから、思い切って模様替えをして、あわよくば、この部屋だけイギリスから独立しようかとも考えましたが、治外法権にしてマリファナ部屋にでもなって、軍隊を差し向けられても困るので、サスガニそれは思いとどまりました。ナンセ相手は痩せても枯れてもユナイテッド・キングダム、核まで持ってますからね。
ここで誰よりも多量の尺八が売れたのは環境のせいなんかじゃネエぜ。実力だよ、実力。
メイン会場のエントランスでジムさんを待っている時、1人で手持無沙汰にしていた、ある中国人青年と少し話をして名刺を交換しました。30歳くらいの白面の貴公子といった感じの人です。広東省潮州市の李秋楽さん、硯峰尺八博物館館長と名刺に有ります。この人とお父さんの李聞海さんが次の世界大会の主催者として名乗りを挙げた人です。
「え、それ誰?」と皆が驚いたほど、それまで知られていない人達でした。秋楽さんはカナダに住んでいて日本語は全く分かりませんでしたし、どうも尺八を吹いている感じではなかったようです。お父さんの聞海さんは尺八も堪能。潮州市の財界の大立者だそうで、秋楽さんが館長を務める尺八博物館自体が硯峰公演という施設の中に在り、それを造ったのはお父さんの聞海さんだそうです。
潮州市は広東の東の果てで、すぐ隣が福建です。香港から見ての広東の入り口・深圳からでも新幹線で2時間半もかかります。北京と西安だって6時間なんですよ、日本から行くなら厦門まで飛行機で行った方が良いでしょう。
これまで日本の尺八界と、あまり係わりを持たなかった人のようで、どなたか李父子について、もっと詳しい情報をお持ちの方、いらっしゃったら御面倒でも御連絡いただけませんか。
中国の尺八界は日に日に大きくなっており、すでに例えばチベットなんかでも尺八吹きの存在を複数確認出来るまでになりました。その、ほぼ全員がインターネットによる情報収集ですし、講師のいない大多数の地方ではインターネットを見ての独習です。まあ尺八以外の笛系楽器の奏者が多いですから大して問題ではないのでしょう。少なくとも20年前までの日本の様に「尺八が上手くなりたかったら、とりあえずは師匠につかない事」と真顔で言われる様な状況にはないという事です。
中国では今分かっているだけで、これから毎年の様に、アッと驚くビッグ企画が続出します。全てインターネットがパワーの根源です。翻って日本、尺八吹きの平均年齢73歳ですから、私の印象でも半数以上がいまだインターネットをやっていません。「ひとつの世界」としてのガラパゴス化は明らかです。
尺八の本場が中国に移る日、それが現実に目の前にチラついてきましたな。
ゴールドスミス大学の大会メイン講堂に、尺八の詰まった重いトランクを転がして入ると、私のブースの場所が無いじゃと言うじゃありませんか。
古屋さんや真玉さんが「何かの連絡ミスだから大丈夫ですよ」と慰めてくれたので、大会責任者のキクデイが打ち合わせ会議から戻るのを待って掛け合いました。すると「部屋にスペースが無い」との事です。
ともかく出店の有る部屋に入ると、狭い部屋に机が乱雑に置かれ、そこに7,8業者が入っていました。顔見知りのネプチューンと山口秋月さん、弾真空さんが、隣り合わせの場所で机を並べて尺八を展示していましたので、そこに入って話をしていたら、ものの5分もしないで汗が噴き出してきました。ロンドンも例年に無い猛暑で、しかもクーラーの無い部屋、しかも狭い、しかも人で混雑、もう一つしかも窓が開いてない(当たり前か、外はもっと暑いもん)。こりゃヒデえ・・・。
なるほどスペースが無いわ。在学中は学校も違うし縁も無かったけど、それでも大学邦楽の後輩には違いない山口さんと、顔は悪いがハートは最高に良いネプチューンに少しずつ詰めてもらって、私の場所を造ろうかとも思いましたが、「これ以上は混雑したら困る」と事務の人に拒否されました。
もう一度、キクデイと掛け合うと、「ジム・フランクリンに場所を造ってもらってくれ」との返事。それでジムは、と言えば打ち合わせで忙しく、なかなか捕まりませんでした。それでも一緒に行ってくれて、彼の奥さんに私の場所を造る様に指示してくれましたが、彼のヒロコ夫人も忙しく、「やはりもう一度ジムさんに頼んで欲しい」との返事。
ドンドン状況が悪くなって行くじゃねえかよ、まるで僕って「キミスイ」の浜辺美波ちゃんみたい。自分で自分に貰い泣きしちゃう。まさか美波ちゃんみたいな悲劇的な結末が待ってるんじゃねえだろうな。
結局、ジムさんは私の為に部屋を一つ提供してくれました。私だけのスペースだし、二階なので風が入り涼しい。「どう使ってくれても良い」との事ですから、思い切って模様替えをして、あわよくば、この部屋だけイギリスから独立しようかとも考えましたが、治外法権にしてマリファナ部屋にでもなって、軍隊を差し向けられても困るので、サスガニそれは思いとどまりました。ナンセ相手は痩せても枯れてもユナイテッド・キングダム、核まで持ってますからね。
ここで誰よりも多量の尺八が売れたのは環境のせいなんかじゃネエぜ。実力だよ、実力。
メイン会場のエントランスでジムさんを待っている時、1人で手持無沙汰にしていた、ある中国人青年と少し話をして名刺を交換しました。30歳くらいの白面の貴公子といった感じの人です。広東省潮州市の李秋楽さん、硯峰尺八博物館館長と名刺に有ります。この人とお父さんの李聞海さんが次の世界大会の主催者として名乗りを挙げた人です。
「え、それ誰?」と皆が驚いたほど、それまで知られていない人達でした。秋楽さんはカナダに住んでいて日本語は全く分かりませんでしたし、どうも尺八を吹いている感じではなかったようです。お父さんの聞海さんは尺八も堪能。潮州市の財界の大立者だそうで、秋楽さんが館長を務める尺八博物館自体が硯峰公演という施設の中に在り、それを造ったのはお父さんの聞海さんだそうです。
潮州市は広東の東の果てで、すぐ隣が福建です。香港から見ての広東の入り口・深圳からでも新幹線で2時間半もかかります。北京と西安だって6時間なんですよ、日本から行くなら厦門まで飛行機で行った方が良いでしょう。
これまで日本の尺八界と、あまり係わりを持たなかった人のようで、どなたか李父子について、もっと詳しい情報をお持ちの方、いらっしゃったら御面倒でも御連絡いただけませんか。
中国の尺八界は日に日に大きくなっており、すでに例えばチベットなんかでも尺八吹きの存在を複数確認出来るまでになりました。その、ほぼ全員がインターネットによる情報収集ですし、講師のいない大多数の地方ではインターネットを見ての独習です。まあ尺八以外の笛系楽器の奏者が多いですから大して問題ではないのでしょう。少なくとも20年前までの日本の様に「尺八が上手くなりたかったら、とりあえずは師匠につかない事」と真顔で言われる様な状況にはないという事です。
中国では今分かっているだけで、これから毎年の様に、アッと驚くビッグ企画が続出します。全てインターネットがパワーの根源です。翻って日本、尺八吹きの平均年齢73歳ですから、私の印象でも半数以上がいまだインターネットをやっていません。「ひとつの世界」としてのガラパゴス化は明らかです。
尺八の本場が中国に移る日、それが現実に目の前にチラついてきましたな。
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