エンターテイメント
- 2018/12/26
- 17:50
力道山が死んで、もう55年もたったんですね。1963年の12月15日が彼の命日です。当時の事は、今でもはっきり思い出します。もう私はその頃は中学でも有名な「プロレス気違い」で、学校では毎日取っ組み合いをしていました。学校から帰ると、何はさておき百科事典を机に置いて空手チョップを3百回。何の為?訊くだけ野暮でしょう。男子校では何より重視された「喧嘩に強くなるため」、他に何か有りますかい?
そして、それから「プロレス新聞」の東京スポーツやスポーツ毎夕を隅から隅まで、繰り返し読むのです。ですから、学校の予習復習なんて、時間が無くて全然出来ませんでした。これが高校卒業までの6年間の日課でした。無駄な事をしたのかも知れませんが、もっと無駄な「必要以上の学校勉強」をしなくて済みましたから、今でも正解だったと思っています。こういう私でしたから、力道山の死は人一倍ショックでした。
力道山は赤坂のニューラテンクオーターというクラブで、ヤクザとささいな事から喧嘩になり、ナイフで腹を刺されました。その怪我自体は「2週間程度の入院」で済むはずでしたが、1週間後に容体が急変して、あっけなく死んでしまいました。
これが裁判でも認められた、まあ「公式見解」というヤツでしょう。「明確な殺意は無かった」という事で、相手のヤクザも7年の刑で済んでます。
この事はプロレス史上の大きな謎です。死んだのは麻酔医の「医療ミス」だったらしいのですが、北朝鮮では、「右翼勢力による謀殺」という事はなってるらしいのです。
力道山は今日の朝鮮民主主義共和国に含まれる咸鏡南道で生まれました。朝鮮人だと言う事で、随分と差別された様ですが、戦後からは、長崎県大村市の出身の日本人という嘘の経歴で押し通しました。大村の人達は「見た事も無い」はずですが、今みたいな情報社会ではなかったので、それでもなお何とか通用したでのすね。当時、多分、日本人の8割以上が「力道山は日本人」だと思っていたと思いです。
でも彼には北朝鮮に兄弟も妻も娘もいましたし、その頃までは北が国力も韓国を圧倒していましたので、在日コリアンの中で北の支持者も多く、力道山自身も金日成には相当のシンパシーを感じていたらしいのです。「日本人に多大な影響の有る人間が北支持では困る」、これが謀殺説の根拠です。
こういう陰謀論は大体がイイカゲンなものです。頭の跳んだトンデモさんとかオカちゃん、あるいは講演料や書籍販売を目的に、嘘と承知で「トンデモ本」を書く、ビジネスフールの人達が主体ですから、一般のオトナは、面白がっても本気にはしません。でも、この場合は、韓国の中央情報部(KⅭIA)の最高責任者だった人も、そう証言しているのです。その少し前に起こった「ケネディ暗殺事件」と良く似たケースですね。後年、KⅭIAは有名な「金大中事件」を引き起こしています。ここでも事件直後の日本政府とアメリカの「ヤッタラ只じゃ済まさねえぞ」という断固介入が無ければ、金大中は、おそらくは海の藻屑となっていたでしょう。そうそう、そのKⅭIAの最高責任者だった人も秘密をばらしすぎて、「消され」ています。
でもケネディとか金大中と力道山を一緒には出来ません。国家レベルでの影響力が違い過ぎるからです。本当かどうかは知りませんが、入院中の不摂生も当時から言われていました。でも死因は単純な医療ミスだったのでしょう。いくら大きな力が働いたにしろ、かりにも医者が殺人に加担するなんて事は考えずらいですし、ダイイチ、山口組や東声会、児玉誉士夫とか大野伴睦を後ろ盾に持つ力道山相手に、そんな手の込んだ事をするぐらいなら、偶発事件のままで致命傷を負わせれば良かったのですから。事件そのものは偶発ではなく、後年までレスラー達の言っていたように、あるいは「アンチ山口、東声会」による脅し、警告だったのかも知れませんが、死んだのは医療ミスだったと言うのが常識的な判断だと思います。
昭和30年代は力道山が日本最大のスーパースターでした。「天皇の次に有名」だと言われたものです。180センチに満たない体格で、2メートル近い外人を空手チョップでバタバタと薙ぎ倒すのですから、敗戦の精神的痛手の未だ癒えない日本人にとって、最高のヒーローでした。
外人の卑劣な反則に怒り、痛めつけられる日本人レスラーに感情移入していた観客。最後には力道山がコテンパンにしてスッキリさせる。大の大人が躍り上がって喜んだものです。さて、もしこれが他の格闘技だったら、同様の事は有り得たでしょうか・プロレスがショー、エンターテイメントだからこそ可能だったのです。当時から「八百長芝居」と嘲る人達はいました。でも、常に見せ場やヒーローの勝ちシーンを提供出来るとはかぎらないシリアス格闘技や、また反対に純然たる芝居、例えばテレビドラマとか映画での事だったとしたら、同様の現象は起きなかったことは言うまでも有りません。
尺八にこれまで無かったエンターテイメント性、、演奏家にもソフトにも、時代の雰囲気にも、これが濃厚に出てきはじめたのが現在です。これまでの尺八はショー性を、何か恥ずかしい事だと受け止めてきたようです。だから大衆の支持を得られない、楽だけどハリの無い「仲間褒めの世界」に沈み込んだままだったのです。
尺八がエンターテイメントにも舵を切り始めた現在、ようやく文化、芸術として一段ランクアップされたステージに頭を出した様です。勿論、この大きく領域を広げた尺八界の中には、デコレーションを削ぎ落した「本格古典」の世界も含んでいます。「本物」とか「正統」は文化とか芸術の分野では、実際は客寄せの為の人工概念なのですが、そうである以上は、これも使わないテは有りません。ともかく、これまでの尺八界とは格段に強靭な芸術世界になりつつあります。
そこで、来年3月の中国ツアーにはエンターテイメント尺八の王様、岩田卓也さんを紹介する予定です。エンターテイメントを「邪道」と受け止める人達も、彼の「本格古典」を聴いたら何て言うかな? 強いプロレスラーが「シリアス格闘技?でも本気でやったらオレ達の方が強いよ」、と言ってますけど、同じようなものなのでしょう。プロレスファンを「八百長芝居を見て喜ぶアホ」とバカにする人がいる一方、その人達を「単純な世界観しか育っていない人達」と嗤うプロレスファン。何か似ていませんですか?
そして、それから「プロレス新聞」の東京スポーツやスポーツ毎夕を隅から隅まで、繰り返し読むのです。ですから、学校の予習復習なんて、時間が無くて全然出来ませんでした。これが高校卒業までの6年間の日課でした。無駄な事をしたのかも知れませんが、もっと無駄な「必要以上の学校勉強」をしなくて済みましたから、今でも正解だったと思っています。こういう私でしたから、力道山の死は人一倍ショックでした。
力道山は赤坂のニューラテンクオーターというクラブで、ヤクザとささいな事から喧嘩になり、ナイフで腹を刺されました。その怪我自体は「2週間程度の入院」で済むはずでしたが、1週間後に容体が急変して、あっけなく死んでしまいました。
これが裁判でも認められた、まあ「公式見解」というヤツでしょう。「明確な殺意は無かった」という事で、相手のヤクザも7年の刑で済んでます。
この事はプロレス史上の大きな謎です。死んだのは麻酔医の「医療ミス」だったらしいのですが、北朝鮮では、「右翼勢力による謀殺」という事はなってるらしいのです。
力道山は今日の朝鮮民主主義共和国に含まれる咸鏡南道で生まれました。朝鮮人だと言う事で、随分と差別された様ですが、戦後からは、長崎県大村市の出身の日本人という嘘の経歴で押し通しました。大村の人達は「見た事も無い」はずですが、今みたいな情報社会ではなかったので、それでもなお何とか通用したでのすね。当時、多分、日本人の8割以上が「力道山は日本人」だと思っていたと思いです。
でも彼には北朝鮮に兄弟も妻も娘もいましたし、その頃までは北が国力も韓国を圧倒していましたので、在日コリアンの中で北の支持者も多く、力道山自身も金日成には相当のシンパシーを感じていたらしいのです。「日本人に多大な影響の有る人間が北支持では困る」、これが謀殺説の根拠です。
こういう陰謀論は大体がイイカゲンなものです。頭の跳んだトンデモさんとかオカちゃん、あるいは講演料や書籍販売を目的に、嘘と承知で「トンデモ本」を書く、ビジネスフールの人達が主体ですから、一般のオトナは、面白がっても本気にはしません。でも、この場合は、韓国の中央情報部(KⅭIA)の最高責任者だった人も、そう証言しているのです。その少し前に起こった「ケネディ暗殺事件」と良く似たケースですね。後年、KⅭIAは有名な「金大中事件」を引き起こしています。ここでも事件直後の日本政府とアメリカの「ヤッタラ只じゃ済まさねえぞ」という断固介入が無ければ、金大中は、おそらくは海の藻屑となっていたでしょう。そうそう、そのKⅭIAの最高責任者だった人も秘密をばらしすぎて、「消され」ています。
でもケネディとか金大中と力道山を一緒には出来ません。国家レベルでの影響力が違い過ぎるからです。本当かどうかは知りませんが、入院中の不摂生も当時から言われていました。でも死因は単純な医療ミスだったのでしょう。いくら大きな力が働いたにしろ、かりにも医者が殺人に加担するなんて事は考えずらいですし、ダイイチ、山口組や東声会、児玉誉士夫とか大野伴睦を後ろ盾に持つ力道山相手に、そんな手の込んだ事をするぐらいなら、偶発事件のままで致命傷を負わせれば良かったのですから。事件そのものは偶発ではなく、後年までレスラー達の言っていたように、あるいは「アンチ山口、東声会」による脅し、警告だったのかも知れませんが、死んだのは医療ミスだったと言うのが常識的な判断だと思います。
昭和30年代は力道山が日本最大のスーパースターでした。「天皇の次に有名」だと言われたものです。180センチに満たない体格で、2メートル近い外人を空手チョップでバタバタと薙ぎ倒すのですから、敗戦の精神的痛手の未だ癒えない日本人にとって、最高のヒーローでした。
外人の卑劣な反則に怒り、痛めつけられる日本人レスラーに感情移入していた観客。最後には力道山がコテンパンにしてスッキリさせる。大の大人が躍り上がって喜んだものです。さて、もしこれが他の格闘技だったら、同様の事は有り得たでしょうか・プロレスがショー、エンターテイメントだからこそ可能だったのです。当時から「八百長芝居」と嘲る人達はいました。でも、常に見せ場やヒーローの勝ちシーンを提供出来るとはかぎらないシリアス格闘技や、また反対に純然たる芝居、例えばテレビドラマとか映画での事だったとしたら、同様の現象は起きなかったことは言うまでも有りません。
尺八にこれまで無かったエンターテイメント性、、演奏家にもソフトにも、時代の雰囲気にも、これが濃厚に出てきはじめたのが現在です。これまでの尺八はショー性を、何か恥ずかしい事だと受け止めてきたようです。だから大衆の支持を得られない、楽だけどハリの無い「仲間褒めの世界」に沈み込んだままだったのです。
尺八がエンターテイメントにも舵を切り始めた現在、ようやく文化、芸術として一段ランクアップされたステージに頭を出した様です。勿論、この大きく領域を広げた尺八界の中には、デコレーションを削ぎ落した「本格古典」の世界も含んでいます。「本物」とか「正統」は文化とか芸術の分野では、実際は客寄せの為の人工概念なのですが、そうである以上は、これも使わないテは有りません。ともかく、これまでの尺八界とは格段に強靭な芸術世界になりつつあります。
そこで、来年3月の中国ツアーにはエンターテイメント尺八の王様、岩田卓也さんを紹介する予定です。エンターテイメントを「邪道」と受け止める人達も、彼の「本格古典」を聴いたら何て言うかな? 強いプロレスラーが「シリアス格闘技?でも本気でやったらオレ達の方が強いよ」、と言ってますけど、同じようなものなのでしょう。プロレスファンを「八百長芝居を見て喜ぶアホ」とバカにする人がいる一方、その人達を「単純な世界観しか育っていない人達」と嗤うプロレスファン。何か似ていませんですか?
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